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故障でW杯欠場となったDF中山雄太の代役に選ばれたのはFWの町野修斗だった(写真・アフロ)
故障でW杯欠場となったDF中山雄太の代役に選ばれたのはFWの町野修斗だった(写真・アフロ)

DF中山雄太の代役にFW町野修斗を抜擢したW杯緊急サプライズ人事に本当に不安はないのか?

 日本サッカー協会(JFA)は8日、カタールW杯に臨む日本代表メンバーにFW町野修斗(23、湘南ベルマーレ)を追加招集すると発表した。右アキレス腱に重症を負い、今シーズン中の復帰が絶望となったDF中山雄太(25、ハダースフィールド)に代わるもので、背番号も中山の「20」を引き継ぐ。左サイドバックを務める中山の代役にアタッカーを、それもセンターフォワードの町野をサプライズ招集して大丈夫なのか。

「日本を代表してカタールの地で闘えることに誇りと責任を」

 森保ジャパンの陣容が決まってから1週間。最大のサプライズは追加招集に待っていた。
 代表メンバーに選出された直後に、右アキレス腱に大怪我を負って無念の離脱。今シーズン中の復帰が絶望となり、カタールW杯も不参加になるとハダースフィールドが公表していた、中山に代わる人選を進めていたJFAは町野を追加招集すると8日に発表した。
 自らの先制ゴールで柏レイソルを破り、湘南をJ1残留へ導いた5日の最終節後。2026年の次回W杯へ、さらに成長する自分を見すえて「4年後への競争はもう始まっている」と語っていた町野は、湘南を通じて覚悟と決意を凝縮させたコメントを発表している。
「追加招集という形でカタールワールドカップのメンバーに選んでいただきました。日本を代表してカタールの地で闘えることに、誇りと責任を持って行ってきます。そして、今まで関わってくれたすべての人に感謝しています。プレーで恩返しできたらと思っています」
 三重県伊賀市で生まれ育った町野は、大阪・履正社高から2018年に横浜F・マリノスへ加入。ギラヴァンツ北九州をへて湘南に移籍し、2年目を迎えた今シーズンはJ1の得点ランキングで2位、日本人選手ではトップとなる13ゴールをあげてブレークを果たした。
 年代別の日本代表に無縁だった町野だが、湘南での活躍が評価される形で、国内組だけの編成で臨んだ7月のEAFF E-1サッカー選手権でA代表デビュー。3試合で3ゴールをあげて、相馬勇紀(25、名古屋グランパス)とともに大会得点王を獲得して日本の優勝に貢献した。
 9月のドイツ遠征にも招集された町野は、カタールW杯代表入りをかけて、ヨーロッパ組と初めて一緒にプレーした。しかし、後半からピッチに立ったアメリカ代表戦でほとんど存在感を示せず、エクアドル代表戦はリザーブのままスコアレスドローを見届けた。
 町野自身も期する思いを抱いていたからか。帰国後に出場したJ1リーグの4試合で3ゴールを上積みし、得点王のFWチアゴ・サンタナ(29、清水エスパルス)に1ゴール差と食い下がった。直近のパフォーマンスを見れば、上り調子にある選手の一人といっていい。
 しかし、一方で素朴な疑問も頭をもたげてくる。
 4大会連続でW杯に挑む長友佑都(36、FC東京)とともに、中山は左サイドバック枠としてメンバー入りしていた。年齢的に長友のフル出場が難しくなっていた状況で、中山の代わりにアタッカーを、それもセンターフォワードの町野を招集して大丈夫なのか。

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