2区を走った駒大のスーパールーキー佐藤圭汰が区間新の走りで2位に浮上(Photo by SportsPressJP/AFLO)
2区を走った駒大のスーパールーキー佐藤圭汰が区間新の走りで2位に浮上(Photo by SportsPressJP/AFLO)

全日本大学駅伝から見えた箱根駅伝の行方…独走V駒大に死角はあるのか?

 全日本8区間のマッチアップは2区佐藤、4区山川、5区篠原倖太朗(2年)、7区田澤、8区花尾が青学大に勝利しての5勝3敗だった。しかし、前回の箱根は3区で安原太陽(現3年)が区間16位と失速。一方の青学大は太田蒼生(現2年)が安原を3分01秒も上回る日本人歴代3位の快走で大逆転している。
 駒大は箱根で青学大に〝大負け〟する区間があるだけに、今回は〝大勝ち〟する区間を作るのが勝利への近道になるだろう。そう考えると、3冠のカギは鈴木と佐藤が握っている。

 鈴木は10000mで日本人学生歴代3位の27分41秒68を持つ。スピードがあるだけでなく、上りにも強い。万全な状態で迎えることができれば、青学大を蹴散らすことができるだろう。
 佐藤に関しては、大八木監督は無理に箱根に合わせるつもりはないという考えを持っている。しかし、本人は「全日本の走りを自信にして、スタミナをつけて箱根でも活躍したい」と口にしており、「準備ができてれば出る可能性もあります。1人でも行けるタイプですし」と大八木監督も話していた。
 佐藤の持ち味を生かすとしたら1区、3区、7区になる。仮に3区で青学大の選手を凌駕することができれば、2区田澤でトップに立っている可能性が高いだけに、独走態勢を築いて、悲願の3冠に向けって突き進むだろう。

 ではライバルの青学大はどうか。全日本は2区白石光星(2年)が区間16位に沈み、13位に転落。駒大・佐藤に2分19秒差をつけられて、序盤で優勝争いから脱落した。
 それでも1区と3~7区は強かった。特に7区のエース近藤幸太郎(4年)は爆走した田澤との差を14秒で食い止めている。チームは3位に終わったが、十分に存在感を見せつけた。
 原晋監督は「駒大の走りは質、量ともレベルが高かった」と完敗を認めながらも、「箱根駅伝に向けては、決して悲観はしていません。駅伝は先頭が有利ですけど、3~7区は駒大とほぼ互角でした。山上りと山下りには自信があるので、箱根駅伝は勝ちにいきます!」と力強かった。

 全日本で過去最高の2位に入った國學院大は箱根駅伝での期待値も高い。1区島﨑慎愛(4年)が17位と出遅れながら、2区山本歩夢(2年)で7位に急上昇。その後もじわじわと順位を上げていき、5区青木瑠郁(1年)が区間賞を獲得した。7区平林清澄(2年)が区間4位と踏ん張ると、8区伊地知賢造(3年)が区間賞と3秒差の快走で青学大を逆転している。

関連記事一覧