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前日計量で30グラムオーバーのハプニングがあったものの井上尚弥はバトラーと余裕のグータッチ(写真・山口裕朗)
前日計量で30グラムオーバーのハプニングがあったものの井上尚弥はバトラーと余裕のグータッチ(写真・山口裕朗)

今日世界注目の4団体統一戦…井上尚弥はバトラーを1ラウンドでKOできるのか…再燃した論争!

 理論派の元WBA世界スーパーフライ級王者、飯田覚士氏の意見を聞く。
「バトラーは横に動く際には強いパンチは打てない。サークリングしてくる時には攻撃力はない。彼の基本パンチであるワンツー、ジャブでポイントを取る、あるいは、相手の打ち終わり、バックステップで半歩遠くからカウンターを狙う際には直線的な動きに変わる。ポジションとして井上の正面に立つので、そこがKOチャンスとなる。問題は1ラウンドから、そういう仕掛けをバトラーがしてくるかどうか。そのタイミングを作るために井上はアングルを変えて斜めから攻めていけば面白いし、リスクはあるがわざと序盤に演技で軽めのパンチを打っておき、相手を油断させて引き出すという戦術もあると思う。6月のドネア戦での井上の動きと対応力の進化を見る限り、1ラウンドで、ほんの一瞬でもバトラーが前後の動きでポイントを取りにくれば、そこでのKOはあり得ると思う。ただバトラーは慎重に運ぶだろうし守りを徹底されると、つかまえるのは難しい。私はジワジワと追い詰めて5ラウンドくらいに仕留めると予想する」
 バトラーは、この日、井上の30グラムオーバーについて「明日の試合への問題はないと思う」と語り、「12週間厳しいトレーニングを積んできた。その成果を見せたい」と強気だった。英BBCによると「ゲームプランが正しければ、勝つと信じている。タフな戦いだ。私はスイッチを入れたままにしなければならない」とコメントしたという。
 バトラーは、井上が仕留めるまで7ラウンドまでかかった2年前のジェイソン・モロニー(豪州)戦と、8ラウンドで倒した昨年のアラン・ディパエン(タイ)戦を参考している。
「ラウンドが長引くほどディフェンスにスキが生まれる」とも発言していた。そう考えると序盤は足を使った“逃げ”に徹するのだろう。
 だが、井上陣営は、その戦術も想定した上で対策を練ってきた。そして、もしほんの一瞬でも、前後の動きを使い、パンチを繰り出してくれば、そのワンチャンスに終わらせる力が井上には備わっている。またバトラーは7年前に当時、IBF世界スーパーフライ級王者のゾラニ・テテ(南ア)と対戦した際に左アッパーを浴びてTKO負けしており、打たれ強いわけではない。1ラウンドKOの可能性は十分にある。井上の持つ世界屈指の「直感力」が歴史の1ページを開くことになるだろう。
「油断せず最後まで気持ち引き締めていきたい」
 WBOは、統一王者だけに渡す特別のベルトを用意、この日、披露した。4団体統一を成し遂げれば、日本初どころかアジア初。世界でも9人目の快挙で、もしKO勝利すれば、4つのベルトをすべてKOで奪った世界初のボクサーとなる。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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