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“大晦日男”井岡一翔を日本人初の2階級2団体統一王者へ導く「絶対に負けられない理由」とは…迎え撃つ”ネクスト・モンスター”との指名試合とエストラーダとの頂上決戦

 絶対に負けられない理由がある。
 3日に米国で行われた元4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(35、ニカラグア)との3度目対決に判定勝利したWBC世界同級王者、フアン・フランシスコ・エストラーダ(32、メキシコ)から「私の記憶が確かなら井岡は4階級を制した偉大な選手。フライ級時代から彼と戦いたいと思っていたがまだ実現していない。彼と統一戦ができることを願っている」と、対戦相手として名指しされた。
 素晴らしい出入りのボクシングでスタートしたものの、中盤以降に失速し、ダウンシーンもなく、エストラーダもロマゴンも山場を作ることができなかった3度目対決を「正直、退屈な試合。(過去2度と)同じ試合を見ている感じだった」と評した井岡だが、試合後会見で、自分の名前が出てきたことには目を輝かせた。
「エストラーダ選手を目標に掲げたのが復帰した一番の大きい理由。彼にそういう発言をさせるところまできたんだなあ、ここまできたという実感がある、一番望む試合はエストラーダ選手との試合なんで、この流れで次勝って、一番目標とする選手と頂上決戦ができればいい」
 エストラーダは、井岡がWBA世界フライ級王者時代のスーパー王者で、対戦の可能性があった因縁の相手。4年前の電撃引退から復帰を決意した理由も、エストラーダの存在が大きく、その後も、防衛に成功する度に、ずっと「エストラーダを引きずり出したい」と語り続けてきたが、この試合に勝てば、悲願のドリームマッチが実現する可能性が出てきた。
エストラーダと契約する大手プロモート「マッチルーム」のエディ・ハーン氏もリング上で「目標は4団体統一王者。年末の井岡―フランコ戦との勝者が候補になる」と断言していた。
 だが、そのエストラーダ戦の前にクリアせねばならないもうひとつの“関門”がある。“ネクスト・モンスター”として国内外で評価の高い前WBO世界フライ級王者の中谷潤人(24、M.T)が1位にランクされ、井岡がフランコに勝てば180日以内の指名試合が義務づけられているのだ。中谷も井岡戦を意識しているのか、11月には、スーパーフライ級転級のテストマッチとして井岡が、意外に苦戦したフランシスコ・ロドリゲス(29、メキシコ)と対戦して判定勝利を収めている。
「チャンピオンとして挑戦者を迎え討つのは当たり前のこと。それが誰であろうと、中谷選手であろうと、チャンピオンとしての義務。それはそれで特に(中谷との対戦に)思うことはない」
 井岡のコメントにプライドがのぞいた。

 

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