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WBCに出場する日本代表の30人。鈴木誠也が怪我で辞退し3月1日に牧原大成が追加招集
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侍JはWBCを「スモールベースボール」ではなくパワー打者を集めた「ビッグベースボール」で勝てるのか…里崎氏に見解を聞く

 ただ山川、岡本の追加招集には疑問符はつく。
 山川は、2018年の台湾との親善試合、日米野球で動くボールに対応ができずに稲葉監督は、国際試合には不向きだと判断して翌年開催されたプレミア12のメンバーに山川を入れなかった。だが、里崎氏は、山川抜擢の意図をこう読み取る。
「勝負どころで源田、甲斐の打順に回ってくれば代打です。そこで走者がいない場面での一発狙いなら山川しかいない。三振かホームランかを求める場面です。もし得点圏に走者がいる場面なら近藤。そういう状況を考えての選択でしょう。もちろん調子や相手の状況を考えて一塁での先発起用もあると思います。牧は一塁もできるので牧、山田、山川、岡本の4人で一、二塁のスタメンを考えていく構想ではないですか。確かに山川は5年前には動くボールに対応できず苦労していましたが、彼も進化しています。NPBも動くボール全盛だし外国人投手からも打っていますしね」
 岡本も国際試合への対応が不安視されて東京五輪メンバーには入らなかったが、里崎氏は「村上にアクシデントがあった場合の三塁のバックアップを考えると、三塁を守れる岡本は外せなかったのでは」と、その狙いを支持した。
 もうひとつの不安は、吉田、鈴木、ヌートバー、近藤の4人しか選んでいない外野の布陣だ。センターを本職とする選手が不在で、DHは大谷が固定となるため、レフトが吉田、センターがヌートバー、ライトが鈴木となると考えられる。
栗山監督はヌートバーに関して「肩の強さ」を評価しているが、センターは本職ではなくやってみないとわからない。日ハム新庄監督は、昨季近藤にセンターを守らせもしたが、守備は不安で、逃げ切る際のレフトの守備固めも、内外野のできる周東だけ。誰かにアクシデントがあった場合を考えても不安は残る。東京五輪ではセンターを守ったソフトバンクの柳田が辞退したという事情もあったのだろうが、SNS上では、機動力アップも兼ねて阪神の近本、あるいは、ヤクルトの塩見を入れておくべきではなかったか?との意見も見られる。
 ただ、里崎氏は、この点に関しても不安説を一蹴した。
「映像や情報でしか判断できないが、ヌートバーの肩はえげつないらしいし、元々ライトの鈴木の守備はいい。吉田はオリックスでも東京五輪でもレフトを守っている。近本、塩見もそうですが、内外野を守れるソフトバンクの牧原大を入れておけば?という意見もあるでしょう。人選は監督の好みで、選ぶ人によって十人十色のメンバーになってくるもの。でも誰を選んでもトップ級の選手なわけで誰が入っても正解で不正解はないんです」
 そして国際大会の経験豊かな里崎氏は、こうも持論を展開した。
「国際試合を勝つには、いかに点を与えないかではなくいかに点を取るかなんですよ。そう考えると打力優先の布陣をとった栗山監督の方向性も説明がつくし、DHで固定できる大谷の存在が大きいんです」
 里崎氏のスタメン予想は、1番大谷、2番ヌートバー、3番吉田、4番村上、5番鈴木で、6、7番には、牧、山田、岡本、山川の4人のうち2人を調子や相手に合わせて選び、8番源田、9番甲斐というオーダー。大谷の2番起用も考えられるが「1番の経験者は大谷しかいない」と、里崎氏は大谷1番を推す。

 

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