「ブラジルの長年の課題は依然として解決されていない」伝説“悪童”ロマーリオがモロッコに1-1で引き分けた母国に不満爆発…「創造性に欠けパスミスも多かった」
サッカーのW杯北中米大会グループC初戦でモロッコ代表と1-1で引き分けたブラジル代表を、元同国代表FWロマーリオ氏(60)が痛烈に批判した。一夜明けた14日に同国紙『O GLOBO』に寄稿したコラムで「ブラジルが勝つ印象を一瞬たりとも与えなかった」と一刀両断。優勝した1994年の米国大会でMVPを獲得したストライカーは、ニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムで対峙したモロッコに終始上回られたと嘆いた上で王国らしからぬ戦いを演じたチームに不満をぶち上げた。
モロッコに先制を許す
W杯記録を更新してもブラジル国民はまったく満足していなかった。
最新のFIFAランキングで、6位のブラジルに対してモロッコは7位。前回カタール大会でアフリカ勢初のベスト4へ進出し、今大会ではダークホースに挙げられる難敵とニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムで対峙したブラジルは、キックオフ直後から主導権を握られ続ける。迎えた前半21分には、スルーパスに抜け出したMFイスマエル・サイバリ(PSV)に先制点を決められた。
ブラジルも同32分に、エースのヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)が左サイドから豪快な一撃を叩き込む。卓越した個の力で同点に追いついたものの、追加点を奪うまでには至らずにそのまま1-1で引き分けた。
世界で唯一、W杯の全23大会に出場しているブラジルは、これで1938年の第3回フランス大会から21大会連続でW杯初戦における不敗神話を継続した。通算17勝4分けは他国の追随を許さない世界記録だが、現役時代に「悪童」と呼ばれ、ブラジル代表で通算55ゴールをあげたロマーリオ氏は手厳しかった。
現在はブラジル上院議員を務める同氏は、ブラジルの一般紙『O GLOBO』に寄稿した特別コラムで、大会注目の初戦で勝ち点1を手にした後輩たちを、国民の声を代弁するように「ブラジルが勝つ印象を、一瞬たりとも与えなかった」と斬り捨てた。
「特に前半は恐ろしい展開だった。最初の20分過ぎまで押し込まれ続けた。極めて危険なチームのモロッコは、ブラジルの選手たちにすぐに激しいプレスをかけてきた。この間に相手が放ったシュートは6本を数え、対照的にブラジルはわずか1本。何度も攻め込まれた末にサイバリに完璧なゴールを決められた。失点後のブラジルはやや持ち直し、ヴィニシウスが最も得意とする角度から放った、相手ゴールキーパーの存在を無に帰すような素晴らしい一撃で同点としたが、このように散発的に出た良いプレーを除けば攻撃への展開に苦しみ、創造性に欠け、パスミスも多かった」
対照的にモロッコはドロー発進をポジティブに受け止めた。
同国のサッカー専門メディア『ACTU MAROC』は「ブラジルの選手たちは、試合を通して一度も目を伏せないモロッコを目の当たりにした」と自信と貫禄、そして余裕を漂わせながら戦い抜いた自国の選手たちを称えた。
「この引き分けは前回カタール大会での準決勝進出という歴史的な快挙で幕を開けた、モロッコの躍進をさらに強調する結果となった。世界のサッカー界においてモロッコはもはやサプライズと見なされず、競争力のある強豪国の一角としての地位を確率したと言っていい。アトラスのライオン(モロッコ代表の愛称)は世界で最も伝統的なチームとの対戦で、組織力と個人の情熱の両面で支配権を握り続けた」
モロッコが終始優位に立った試合内容についても、4度目の優勝を果たした1994年の米国大会でMVPに輝いたロマーリオ氏は正直に認めている。特に5月下旬にモロッコ代表デビューを果たしたばかりの18歳で、攻守両面で主役を演じたMFアイユーブ・ブアディ(リール)の名前を挙げながらコラムでこう綴っている。

