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サイヤング投手のバウアーが先発デビューの広島戦で白星。98球の圧巻ピッチングだった
サイヤング投手のバウアーが先発デビューの広島戦で白星。98球の圧巻ピッチングだった

「1か月遅れでも2桁勝つのでは?」横浜DeNA超大物バウアーの何がどう凄かったのか…7回1失点9奪三振勝利の広島戦での「ソードポーズ」封印の理由と異常なボール回転数

 その投球には打者を支配するテンポとクレバーさがあった。 
 この日は「あまりバッターのことよくわかっていなかったのでキャッチャーのサインを信じて投げた」と、数日前にコンビを組むことが決まり、アナリストを交え綿密なミーティングを重ねた伊藤光に、ほとんどのサインを任せてテンポよく投げ込んだが、1回に2番の西川に対しカウント2-1から9度サインにクビを振り、5回に野間を迎えたときも5回クビを振った。
「自分の投げたいボール(のサイン)が出なかったから。よくあることだろう」
 いずれも変化球を選び結果は三振。打者の反応を観察し、過去のデータを重ねた上で、6つの球種の中からウイニングショットを選ぶのだ。
 左打者には、インコースへのカットと、アウトコースへのナックルカーブ。右打者には高めのストレートとアウトコースへのスライダー。そして、左右にとらわれず勝負どころでのスプリットチェンジと、自分が得意とする配球の原則を守り、スライダーとカットでは、リリースする腕の角度を少し変化させるなど、1球1球細かくタイミングを外してくる。
 前出の“007“は「制球がいい。フォームの軸がぶれないのでストライクを取ることに苦労しない。ショートアームで、ほとんど球種にフォームの差異がなく、変化球は、どのボールも、カウント球にも勝負球にも使えるので何が来るのかボールを絞れない。高めゾーンのストレートは捨てたいが、あそこを捨ててストライクを取られると、カーブに反応できなくなる。打球方向とコースで絞るしかないが、あれだけ球種が豊富では、それも苦労するだろう。しかも、おそらくまだ調整は7割程度で、ここからさらに上がってくると思う。冗談抜きで負ける姿が想像できない。打線もいいし、2桁勝つのでは」と、お手上げの様子だった。
 三浦監督は「これから最後までしっかりローテーションを守ってもらいます」と、期待の言葉を口にした。
 バウアーは、メジャー時代と同じく中4日登板を希望しているが、指揮官は、「それは聞いています。考えます」と言葉を濁した。
 横浜DeNAの先発陣は、他球団が羨むほど充実しており、バウアーを中4日で回す必然性はなく、ネット裏のライバル球団も、当面は中6日で回すと読んでいるが、来週は変則日程で、水曜日に試合がないため、三浦監督がどうバウアーを起用するのか注目となる。
 バウアーが言う。
「勝つことが一番。そこに貢献できるように。ファンを楽しませたい気持ちが大きい。勝つことにこだわりたい」
 ヒーローインタビューでは、「ヨコハマしか勝たん!」と「最高」を意味する”ネット語”で挨拶をして笑いを誘い、早くもファンの心をつかんだ。前日に某チームメイトからの指南を受けた言葉で「間違ったことを教えていないだろうね」と、通訳の確認を取ってからヒーローインタビューで披露した。
「ヒーローインタビューに上がれる機会があれば、次はまた違う日本語にチャレンジしてみたい」
 看板通りの超大物メジャーリーガーが横浜DeNAのV使者になるのかもしれない。
(文責・RONSPO編集部)

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