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5ゴールをあげた宮澤ひなたが大会得点王に輝いた(写真・ロイター/アフロ)
5ゴールをあげた宮澤ひなたが大会得点王に輝いた(写真・ロイター/アフロ)

なぜボール支配率21%のなでしこが強豪スペインを4-0で撃破できたのか…機能した組織的守備と1位突破で見えた「優勝の可能性」

 なでしこを率いる池田太監督(52)は、コスタリカとの第2戦から先発メンバー5人を入れ替えた。連勝発進ですでに進出を決めていた、決勝トーナメントを見すえたターンオーバーであるとともに、先発変更を一人だけにとどめ、ほぼベストの顔ぶれで3連勝と1位突破を狙ってきたスペインを攻略する上でのベストの人選でもあった。
 その象徴が2ゴールをあげたMF宮澤ひなた(23、マイナビ仙台)であり、今大会初先発のFW植木理子(24、日テレ・東京V)となる。
 初戦のザンビア戦に続く先発となった宮澤は前半12分、MF遠藤純(23、エンジェル・シティ)が左サイドから放ったアーリークロスにファーサイドで反応。群を抜くスピードでボールに追いつき、相手に囲まれながらも左足で冷静に流し込んだ。
 同29分には相手の縦パスをDF南萌華(24、ローマ)がカット。浮き球を植木が頭で落とし、ボランチ長野風花(24、リバプール)のワンタッチパスに宮澤が反応してカウンターを発動させる。瞬く間に相手を置き去りにした直後に、左サイドをフォローしてきた植木へパス。強引に放った植木のシュートが相手に当たってゴールに吸い込まれた。
 同40分にもカウンターからゴールが生まれる。相手の縦パスを長野がカット。こぼれ球をボランチ林穂之香(25、ウェストハム)が植木へ繋ぎ、トップスピードで右サイドを追い抜いていった宮澤へスルーパス。相手3人に囲まれながら宮澤が豪快に突き刺した。この時点でシュート数がわずか3本で3得点。100%の決定力で実質的に勝負を決めた。
 今大会通算4ゴールで得点王ランキングの単独トップに立った宮澤を、鈴木氏は「なでしこの攻撃の中心を担える選手」と称賛する。
「宮澤は攻撃面でさまざまな可能性を持っている。ドリブルの能力も高く、なおかつ切れもある。なので、ドリブルの後に今日のようにシュートだけでなく、クロスやラストパスを選択するときにも相手は完全に崩されている。相手にとって一番嫌な選手となる」
 攻撃面に加えて、相手ボール時に植木がプレスに行った回数は、後半22分に交代するまでの67分間で実に「74」を数えた。労を惜しまない運動量でプレスの“一の矢”を担い、攻撃に転じればスプリントを繰り返した植木の献身性を鈴木氏も評価した。
「最初から90分間プレーするつもりはなく、とにかくプレス、スプリント、プレスを繰り返す。疲れ果てたところで交代という役割を本人も理解していたと思う」
 同じ[3-4-2-1]システムのもと、ザンビア戦とコスタリカ戦ではボールを保持して攻め込む戦いを、スペイン戦では180度異なる戦いを演じてすべてで勝利した。そのなかで20人が招集されたフィールドプレーヤーのうち19人がピッチに立ち、3試合フル出場なのは南、キャプテンのDF熊谷紗希(32、ローマ)だけとなっている。

 

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