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広島OBの達川光男が阪神ファンの批判を受けた“下剋上発言”の真意を説明した(写真は2019年の夏の甲子園決勝での始球式:岡沢克郎/アフロ)
広島OBの達川光男が阪神ファンの批判を受けた“下剋上発言”の真意を説明した(写真は2019年の夏の甲子園決勝での始球式:岡沢克郎/アフロ)

「真意は違うんよ…」“下剋上解説”で阪神ファンから猛バッシングを受けて岡田監督を不快にさせた広島大物OBの達川光男氏が語る“問題発言”の真意とは?

――試合前に岡田監督と話していたんでしょう?「自分に話したのと正反対のことを喋っている。どないなってんの?」と不信感を抱いているそうだが、それも当然でしょう。
「2学年下の岡ちゃんとは高校時代に甲子園で話をして以来の仲ですよ。2003年には星野監督のもと阪神で同じコーチとしてユニホームを着ていました。旧知の仲じゃけん、わかってくれると思うけど、あくまでも地元へのリップサービスだったんです。反省しています」
 ※1973年の夏の甲子園大会で当時、3年生だった達川氏の広島商が優勝。1年生だった岡田監督の北陽は準々決勝で敗退したが、2人は話をする機会があったという。
――「真意が違った」とは?
「今年の阪神は圧倒的に強いですよ。投手力、打力。それぞれを個々に見ても、広島、横浜DeNAのどっちが上がってきても阪神にかないません。近本、中野、森下、大山、佐藤、ノイジー、坂本、木浪と凄いメンバーがそろっている。広島が上回っているのは機動力くらい。ファーストステージは床田からいくようですが、森下、大瀬良も調子を落としているので、九里くらいしかいない。横浜DeNAにしても、佐野がいないことは響くし、中継ぎにしても昨年に比べて力が落ちています。加えて岡田監督の打つ手、打つ手がすべて決まっている。ベンチを見ても選手が生き生きしています。岡田監督の采配、チームの雰囲気作りがすべてうまくいっている。データを見ても甲子園では大きく勝ち越しているでしょ(36勝23敗3分け)。それも含めて阪神が絶対的に有利です」
――では下剋上はないと?
「いえ、早く優勝が決まると、気のゆるみというか、試合間隔が空きすぎることによる調整の難しさがあるんですよ。それで過去に痛い目にあっている球団はたくさんありますよね。巨人も藤田監督の時代(1990年)にも優勝が早く決まって時間が空いたことで日本シリーズで西武に4連敗しました。あの時、主力だった岡崎が『調整に失敗した。油断ではないが、試合勘が取り戻せなかった』というような話をしていましたが、その怖さがあるんですよ。2003年も優勝を早く決めた阪神は日本シリーズではソフトバンクに勝てなかったし、岡田監督自身も、2005年にロッテに4連敗して、一番、この間の調整の仕方の難しさを身をもって知っているんじゃないですか」

 岡田監督の前監督時代の2005年の日本シリーズは、セはまだCSが導入されておらず逆にロッテは3位からプレーオフを勝ち上がってきていて両チームの調整に大きな差が生まれた。阪神は4連敗。3試合連続で10失点と投手陣が崩壊し、打線も沈黙。4試合の総得点は、ロッテが33点で阪神がわずか4点。今なおファンの間で屈辱の「33―4」として語り継がれる黒歴史がある。

 

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