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森保監督がカナダ戦の前日会見で久保発言について言及したが…
森保監督がカナダ戦の前日会見で久保発言について言及したが…

かみ合わない議論…森保監督は久保建英が吐露した海外組の「きつさ」をねぎらったが過酷日程問題への対策は語らず

 さらにヨーロッパリーグには、キャプテンのMF遠藤航(30、リバプール)とMF守田英正(28、スポルティング)、MF堂安律(25、フライブルク)、招集されながら体調不良で辞退したMF三笘薫(26、ブライトン)が出場。さらにカンファレンスリーグには、第二次森保ジャパンの右サイドバックに定着した菅原由勢(23、AZ)が臨んでいる。
 ヨーロッパの国際大会は原則としてミッドウィークに行われる。つまり、森保ジャパンの主力の大半が週に2試合を戦う状況を受けて、久保はこう語っていた。
「きついのは僕だけじゃない。ファンのみなさまには、そういったところも頭の片隅に入れておいていただければ、より楽しんで代表戦も見てもらえるかなと」
 カナダ戦の前日会見における、森保監督のコメントとほぼ重複しているのがわかる。すでに久保が発信している以上、指揮官はヨーロッパ組だけでなくヨーロッパの国際大会を戦う選手も急増し、それぞれが過密日程に直面する現状を受けた何かを語ってほしかった。
 その森保監督の視線は、来月へと向けられた。ヨーロッパ組のコンディションを巡る問題が、さらに深刻化すると自ら明かしたのだ。
 北中米の3カ国で共催される2026年の次回W杯出場をかけて、早くも始まるアジア2次予選。日本はパナソニックスタジアム吹田で行われる11月16日の初戦で、ミャンマー、マカオ両代表が対峙する1次予選の勝者と対戦する。
 すでに12日にミャンマーのヤンゴンで第1戦が行われ、ホームチームが5-1で圧勝している。おそらくミャンマーが勝ち上がってくると見られるなかで、森保監督は試合開催日が金曜日ではなく木曜日になっている点に神経を尖らせた。
「ということは、週末のリーグ戦を戦ったヨーロッパの選手たちのなかで、最後に合流する選手は火曜日もしくは水曜日になる場合もある。これでは練習する時間もほとんどない。選手たちの体調面で言えば、リカバリーする時間もない状況で公式戦を戦わなければいけない。旅行に例えれば、ヨーロッパから日本へ到着した翌日に90分間走る。そういう選手たちの頑張りという部分においては、私自身、いつもリスペクトの気持ちでいっぱいです。そうした選手たちを、多くのサポーターのみなさんや国民のみなさんに応援していただければ」
 11月第2週には、ヨーロッパの国際大会が火曜日から木曜日にかけて行われる。試合間隔が必要な状況からその週末の各国リーグ戦のほとんどが日曜日の開催となり、必然的に2次予選初戦へ向けた選手たちの帰国も、森保監督が言うように試合前々日か、最悪の場合、前日にずれ込む。こうした状況で強行的に起用すれば怪我のリスクが高まる。
 2次予選初戦を時差のない国内組メインで戦う方法もある。しかし、9月シリーズに続いて今シリーズも4人と、直近の活動でA代表へ招集された国内組の選手があまりにも少ない。質問に対する答えがなかなかかみ合わず、具体的な対策を示すことができないまま、最後は精神論に帰結させざるをえない答弁はイコール、ヨーロッパ組が抱える過密日程問題を森保監督ですらコントロールできない状況を物語っている。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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