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アジア杯でカタールがヨルダンを下して連覇を成し遂げた(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
アジア杯でカタールがヨルダンを下して連覇を成し遂げた(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

「記録と歴史を作った」アジア杯で開催国カタールがヨルダンを下して連覇…ハットトリックのアフィフが仰天パフォーマンス

 サッカーのアジアカップ決勝が10日(日本時間11日)にカタールで行われ、開催国のカタールが3-1でヨルダンを破り、史上5カ国目となる大会連覇を達成した。1-1で迎えた後半28分にFWアクラム・アフィフ(27、アル・サッド)のPKで勝ち越すと、試合終了間際にもアフィフがPKを決めて突き放した。前半22分の先制点を含めて決勝で史上初のハットトリックをすべてPKで達成し、通算8ゴールで得点王とMVPを獲得したアフィフを、地元メディアは「歴史を作った」と称賛した。

大会の観客動員は過去最多の150万7790人

 

 アルゼンチン代表のスーパースター、FWリオネル・メッシが5度目の挑戦で悲願の世界一を手にしたカタールW杯決勝から419日。歓喜の舞台だったルサイル・スタジアムを埋めた8万6492人もの大観衆が見守るなかで再び歴史が作られた。
 開催国カタールと、快進撃を続けてきた伏兵ヨルダンによる中東対決となったアジアカップ決勝。3-1のスコアとともに歓喜の雄叫びをあげたカタールが、韓国、イラン、サウジアラビア、日本に続く5カ国目となる大会連覇を達成した。
 ヒーローは派手なアフロヘアをなびかせ、ひげもたくわえたアフィフ。前半22分の先制点に続いて後半28分の勝ち越し点、そして同アディショナルタイムのダメ押し点をすべてPKでゲット。通算8ゴールで大会得点王とMVPを獲得した27歳のストライカーを、ドーハに本拠地を置く中東最大のメディアネットワーク『Al Jazeera』は神のように崇めた。
「アフィフは今夜、アジアカップ決勝における史上初のハットトリックを達成して歴史を作った。前回2019年大会決勝でも日本を相手にPKを決め、カタールの初優勝に貢献したアフィフは今大会でもスターとして活躍し、決勝ではまばゆい輝きを放った」
 先制点となったPKは自らドリブルを仕掛け、ペナルティーエリア内の左角あたりで倒されて獲得した。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックが入ること2分あまり。それでも集中力を切らさずに、ゴール左隅へ正確に蹴り込んだ。
 直後に驚きのゴールセレブレーションを披露する。
 右のストッキング内に忍ばせていたカードを取り出し、生中継していたカメラに向かって左右に振り始める。次の瞬間、カード上に「S」の文字が浮かぶ手品を、VARに続いて馬寧主審(44、中国)によるOFR(オンフィールド・レビュー)が実施され、判定までさらに時間を要しながらもしっかりとゴール左隅へ決めた2点目の後にも繰り返した。
 ただ、ダメ押し弾となった3点目の後は違った。
 縦パスに抜け出したアフィフが、1対1の状態になった相手GKヤジード・アブライラ(35、アル・ジャバライン)に倒されて獲得したPK。またもやVARとOFRを要しながら、今度はゴール右隅へ冷静沈着に突き刺した直後だった。
 連覇を決める一撃に、自軍ベンチを含めた味方にもみくちゃにされる。とてもじゃないが手品を披露する状況ではない。歓喜の輪から解き放たれた次の瞬間、アフィフは自らを祝福するように、両手をそっと合わせて「S」の文字を作っていた。

 

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