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日本代表が元旦マッチでタイに5-0圧勝。中村敬斗がゴールをマークするなど若手がアピールに成功した(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
日本代表が元旦マッチでタイに5-0圧勝。中村敬斗がゴールをマークするなど若手がアピールに成功した(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

史上初の代表元旦マッチでアピール成功の中村敬斗&佐野海舟&細谷真生の“若手3人衆”の何がどう楽しみなのか?

 南野へパスを通した佐野の動きも見逃せない。
 ダブルボランチの一角で攻守のバランスを司っていたそれまでとは一転、リスクを冒して縦へ。さらにマイナスへ折り返す、先月下旬からの代表合宿で繰り返し取り組んできた形で、ゴール前を固めていたタイの選手たちを混乱させた。
 佐野にアシストはつかない。それでも相手ゴール前で南野をフリーにした、味方同士の動きとパスワークに対して佐野は大きな手応えを感じていた。
「中村選手と目が合っていたのでパスが来ると思っていたし、走った先へ上手く出してくれたし、自分も上手く折り返せた。あのゾーンはチームとしても、そして個人としても意識して狙っていたし、実際にあのゾーンを取ってからマイナス、という形になれば絶対にスペースが生まれる。ああいった攻撃の回数を、もっと増やしていければ」
 ミャンマー、シリア両代表に連勝した昨年11月のW杯アジア2次予選。怪我で辞退したMF伊藤敦樹(25、浦和レッズ)に代わってA代表に初めて招集された佐野は、さらにミャンマー戦で腰痛を発症し、交代を余儀なくされたMF鎌田大地(27、ラツィオ)に代わって後半開始から緊急出場。代表デビュー戦で及第点のプレーを見せた。
 鳥取県の強豪・米子北高から2019シーズンに加入したJ2のFC町田ゼルビア、そして昨シーズンに移籍した鹿島と「相手ボールを奪うプレーが、自分の一番の特長」と公言してきた。常勝軍団の鹿島でもすぐにレギュラーを射止めた佐野を、森保一監督(55)もリストアップ。代表のラージリストに加え、招集できるタイミングをうかがってきた。
 ボール奪取をストロングポイントにあげる点で、タイ戦には招集されていないキャプテンの遠藤航(30、リバプール)を連想させる。ただ、圧倒的なデュエルを駆使する遠藤とは、ボールを刈り取る上での方法論が異なると佐野は言う。
「体がそれほど大きくない分、駆け引きなどで奪うのが得意ですね」
 サイズが身長176cm体重67kgの佐野は、さらにボールの落下点やこぼれてくるポイントなどをあらかじめ予測する能力を磨き、その上でボール奪取後の攻撃力も追い求めてきた。代表2戦目にして初めて先発し、最後まで国立競技場のピッチに立ち続けたタイ戦の2点目に絡んだプレーは、佐野が現在進行形で成長している証でもある。
 タイ戦ではコンディション不良の上田がベンチ入りメンバーから外れ、合宿で別メニュー調整が続いたFW浅野拓磨(29、ボーフム)も最後までベンチを温めた。こうした状況下で、森保監督はパリ五輪世代のエース、22歳の細谷を1トップの先発に指名した。

 

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