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大阪でボクシング転向3戦目を迎える那須川天心が計量をパス。対戦相手とグータッチ(写真/山口裕朗)
大阪でボクシング転向3戦目を迎える那須川天心が計量をパス。対戦相手とグータッチ(写真/山口裕朗)

“中指立て騒動”を起こした那須川天心“パパ”が初のKO決着に太鼓判…「中指を立てずに抱きしめてあげたい」

 天心は、今でも千葉の松戸のTEPPEN GYMに週に何度か足を運び、キッズへの指導などをしているが、弘幸氏は、千葉と大阪の行き来などで、なかなかミットを持つ機会がなく、なおさら息子の進化を如実に感じとったという。
「できればKOで決めて欲しい。これが実際に試合で出せるかどうか。試合展開と相手次第。ただ本人は、今度は倒すと言っていた。負けん気は強い。3度目の正直でしょう」
 3戦目にして初のKO決着に太鼓判を押す。
 ロブレスは18戦15勝(5KO)2敗1分けの戦績を誇る世界ランカー。一発はないがトータルの総合力が高く、倒すのに厄介な選手だが、弘幸氏は、ロープを背負わせての怒涛のラッシュで仕留めると予想している。
 実は、弘幸氏は、第2戦目となる昨年9月のルイス・グスマン(メキシコ)戦である炎上騒動を起こしていた。KO決着をテーマに試合に臨み、実際、2度のダウンを奪ったが、仕留めきれずに判定にもつれこみ、観客席にいた弘幸氏が、天心に向けて中指を立てたシーンが生配信していたカメラに抜かれたのである。
 海外では「Fuck you(くたばれ!)」との意思表示の侮蔑のジェスチャーとして知られる。SNSやネット上では「あのポーズはさすがにやばい」「相手選手のメキシコ国民が怒りますよ」「中指を立てるのはいかがなものか」「誰に対してのFuck youなんだ?」「愛情表現なら後で叱ればいい」などの批判が殺到する炎上騒ぎとなった。弘幸氏は、初めて、その真意を明かして、こう懺悔した。
「めっちゃ怒られました。天心に対して愛情をこめてやったつもりだったんですが、色々と誤解を生んじゃって反省していますよ」
 そしてこう続けた。
「今度は中指なんて立てずにKO決着した天心を抱きしめてやりたい」
 天心は、能登半島地震の被災地である石川県に関係者からの寄付なども含めて総額で1500万円の義援金を寄付したが、それとは別に、養護施設などで育った子供達を支援するピースプロジェクトに賛同し、社会貢献活動を続けている。昨年また1000万円の寄付をしたが、今回の試合に40人の子供達を招待するという。
「天心にはやらねばならない使命感がある。すべてが力になりますよ」
 弘幸氏は我が子のKO決着に思いを馳せた。
 天心がボクサーとして初上陸する“大阪の陣”。絶対王者のWBC&WBA世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(BMB)の防衛戦がメイン。戦火のウクライナからきたWBA世界フライ級王者にユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が挑み、アンダーカードには“カリスマ”元WBC世界バンタム級王者、辰吉丈一郎の次男である寿以輝(大阪帝拳)も登場する豪華なラインナップの興行で、天心は、インパクトを残し主役の座をかっさらうことができるのか。

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