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大騒動となったメッツのアジアツアーの波紋が広がっている(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
大騒動となったメッツのアジアツアーの波紋が広がっている(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

「多くの人を失望させ嘘をついた!」4万人の香港で出場せず“ガラガラ”の国立でプレーしたメッシに中国から激怒の声

 米MLSのインテル・マイアミが7日、国立競技場でヴィッセル神戸とアジアツアー最終戦を行い、「出る」「出ない」が物議を醸していたアルゼンチン代表のスーパースター、FWリオネル・メッシ(36)が後半15分から出場した。内転筋の違和感を訴え、4日の香港選抜戦を欠場したメッシに対してチケット返金騒動が起きていた香港や中国のメディアは激怒し、メッシのインスタグラムは、当然のように炎上した。なお、試合は90分間を0-0で終え、国際親善試合では異例となるPK戦を神戸が4-3で制した。

 プレーは華麗だったが

 待ち焦がれた瞬間は後半15分に訪れた。
 後半開始直後からベンチ裏でウォーミングアップを開始していたメッシがベンチに呼ばれ、ピンク色のユニフォームを身にまとう。電光掲示板に映し出される背番号「10」を歓迎するように、静寂に包まれる時間が大半を占めていた国立競技場の雰囲気が一変した。
 直後から「メッシ、メッシ、メッシ」の大合唱とともに、その一挙手一投足にスタンドの視線が集中する。5度目のW杯だったカタール大会を制し、悲願の世界一となってから初めて訪れた日本で連発したプレーに、対峙した神戸の吉田孝行監督(46)も魅せられた。
「ちょっと次元が違いましたね。それを選手が体験できて本当によかった」
 ボールが足に吸いつくようなドリブル。基本に忠実なパス&ゴー。正確無比なサイドチェンジのパス。神戸の急所を的確に突くスルーパス。密集地帯でもボールを失わないテクニック。メッシ劇場のハイライトが訪れたのは後半34分だった。
 ドリブルでペナルティーエリアの左側へ侵入したメッシが、迷わずに利き足の左足を一閃する。強烈なシュートがGK新井章太(35)の体を張ったセーブで弾き返された直後。こぼれ球に誰よりも早く反応したメッシが、今度は右足で泥臭くボールを押し込む。ゴールラインを超える寸前だったボールは、カバーに戻ったDF初瀬亮(26)にかき出された。
 しかし、舞台となった国立競技場のスタンドは閑散としていた。
 入場者数は2万8614人。一般席のチケット価格が1万円から最高4万円と高額だった点に加えて、極寒の真冬における平日のナイトゲーム、さらにインテル・マイアミの知名度の低さや事前の告知及び露出が少なかった状況が、6万8000人収容のスタンドをガラガラにさせた。試合前には当日券販売を告げる案内が出されていた。
  昨夏にクリスティアーノ・ロナウド(39、アル・ナスル)が来日した際も、ガラガラのスタンドがクローズアップされた。もはやビッグネームの存在だけでは集客が困難となった状況があらためて繰り返されたなかで、子どもの頃から憧れてきたスーパースター、メッシと間近で対峙した神戸のDF菊池流帆(27)は、その“すごさ”に目を輝かせた。
「レベルが違いすぎて感動したというか、試合中にちょっと笑っちゃいました。とにかくボールを奪いにいけない。メッシ選手に触りにいけない。ボールを持った瞬間にそういう雰囲気を出す。僕が言える立場じゃないですけど、世界のトップなんですよね」

 

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