16年ぶりにJ1で戦う東京ヴェルディは浦和レッズと1-1で引き分けた(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
16年ぶりにJ1で戦う東京ヴェルディは浦和レッズと1-1で引き分けた(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

なぜ東京ヴェルディは5615日ぶりのJ1勝利を手にできなかったのか?

 16年ぶりにJ1へ昇格した東京ヴェルディが、5615日ぶりとなるJ1での勝利をあと一歩で逃した。3日に行われた明治安田J1リーグ第2節で、敵地・埼玉スタジアムで浦和レッズと対戦したヴェルディは前半42分にFW木村勇大(23)のJ1初ゴールで先制するも、勝利目前の後半44分にDFアレクサンダー・ショルツ(31)にPKを決められて1-1で引き分けた。横浜F・マリノスとの開幕戦でも試合終了間際にPKで同点とされ、直後に逆転ゴールを叩き込まれた黎明期の名門は、なぜ好勝負を演じながら白星を手にできないのか。

 

 繰り返された悪夢

 1週間前に見たばかりの悪夢が繰り返された。
 1点をリードしたまま、勝利までのカウントダウンに入ろうか、という場面でPKを与えてしまう。国立競技場で横浜F・マリノスに1-2と逆転負けを喫した、2月25日の開幕戦と同じパターンで、ヴェルディがほぼ手中に収めていた白星を逃した。
 1点を追う浦和が仕掛けた後半42分の波状攻撃。左サイドから途中出場のMF中島翔哉(29)が低く、速いクロスを送る。しかし、ヴェルディの必死に守りの前にFW興梠慎三(37)へ通らず、こぼれ球がペナルティーエリア内の左側に弾んだ直後だった。
 自身の背後に落ちたボールに、ヴェルディの右サイドバック、山越康平(30)が振り向きざまに対応する。体勢を崩しながら必死にクリアしようとしたところへ、山越の死角の位置から飛び込んできたのが浦和の左サイドバック、大畑歩夢(22)だった。
 大畑の姿に気がつかなかったのか。先にボールに触ったかに見えた山越の右足は、大畑の両足を激しく刈ってしった。直後に池内明彦主審(40)の笛が鳴り響く。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を介しても、PKの判定は変わらなかった。
 試合後の取材エリア。まさかのPK献上を山越はこう振り返った。
「そのままボールをクリアしようとしたら、ああいう形になってしまった」
 ショルツがゴール左隅へ強烈な弾道を決めたのが同44分。マリノス戦でFWアンデルソン・ロペス(30)に同点PKを決められた時間とまったく同じだった。ヴェルディの城福浩監督(62)は「悔しい試合になってしまった」と声を絞り出した。
「基本的にわれわれが崩された感覚はない。ブロックの外でサッカーをさせていたし、侵入された感覚もない。しかし、実際には目の前から勝ち点3が滑り落ちたような結果になった。だからこそあのPKに関して、いまは原因を特定するのは難しいが、足を出す必要があったのかを含めて、しっかり検証しないといけない。選手たちは目いっぱいプレーしているので、もう少し冷静にハードワークさせないといけない」
 ヴェルディが最後にJ1リーグで勝利したのが、2008年10月18日の大宮アルディージャ戦。16年ぶり、正確には5615日ぶりとなる勝利へ。5万人を超える観衆で埋まった敵地・埼玉スタジアムで、マリノス戦よりも進歩した跡を見せた。
 例えば攻撃面では、必死に繰り返したクリアを縦パスに変えた。
「もっと繋げたかもしれないし、ヘディングによるクリアをパスにできたかもしれない。それでも単純な蹴り合いにはせずに、クリアをパスに変えていくトライを選手たちは意識してくれたし、もちろんシーズンを通して続けていきたい」

 

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