内部文書も流出…秀岳館サッカー部の問題は段原監督の退職、”暴力コーチ”の懲戒免職で幕引きにしていいのか…難しくなった真相解明
男性コーチが暴力を振るう動画の流出に端を発し、その後の不可解な対応や弁明がさらに炎上を招いていた、熊本県八代市の私立秀岳館高校サッカー部の段原一詞監督(49)が同校を依願退職、暴行容疑で書類送検された男性コーチが懲戒免職処分になったことが明らかになった。複数のメディアが17日夜に報じたもので、自身の暴行疑惑も浮上していた段原監督が退職するという幕引きで暴力が常態化していた件を含めてサッカー部をめぐる問題の真相解明は難しくなった。
「退職願が提出されましたので受理しました」
2001年から務めてきたサッカー部監督を実質的に更迭されても、秀岳館高の校長補佐および英語科教諭の座には必死にしがみつき、解雇された場合には不当だとして訴訟を起こすと息巻いていた段原監督があっさりと同校を去った。
速報で伝えたフジテレビ系列のテレビ熊本に続いて、読売新聞や地元の熊本日日新聞も段原監督が提出した退職願を学校側が受理し、さらに当該コーチには懲戒免職処分が下されたと17日夜に報じた。段原監督の退職は同日付となっている。
さらに、サッカー部に関する問題をネット上で追求してきた、48万人近いフォロワー数を誇るインフルエンサー、滝沢ガレソさんも深夜に自身のツイッター(@takigare3)を更新。新たに入手した内部文書を公開した。 学校側から生徒の保護者へ送付されたと見られる文書で、段原監督と当該コーチの退職が報告され、さらに段原監督の退職理由としてこう綴られていた。
「今回の暴力行為関連について、責任を取りたいとのことで、退職願が提出されましたので受理しました」
3年生部員に暴行が加えられる動画が、ネット上に投稿されたのが4月20日。書類送検済みの30代男性コーチの懲戒免職とサッカー部管理責任者の段原監督の退職で、一連の問題が解決したのか。答えはノーであり、むしろ真相解明が逆に遠のいた。
何よりも段原監督の退職理由に違和感を禁じえない。
質疑応答が2時間近くも続いた今月5日の記者会見。答えに窮するたびに「責任は私にある」と繰り返した段原監督は、自身の進退を問われると一転してこう語った。
「目の前に山積していることについて、全力で取り組みたい。(暴力行為の)再発防止に務めたいし、今後そういった情報が早く入るように協議していきたい」
記者会見時ですでに自宅謹慎を科され、その後も処分が継続されていた段原監督が再発防止に努めた跡も、ましてや周囲と協議した跡も見られない。会見の後に明るみになったのは保身を最優先させる姿であり、嘘を重ねていた疑惑だった。