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米メディアが水原容疑者を訴追した連邦当局の訴状の問題点を指摘(写真・AP/アフロ)
米メディアが水原容疑者を訴追した連邦当局の訴状の問題点を指摘(写真・AP/アフロ)

「いつまでも水原通訳に頼っていた大谷翔平にも責任がある」「収拾シナリオはド軍が書いたのでは?」球界大御所がいまだ尾を引く賭博スキャンダル問題にズバリ斬り込む

 広岡氏がこの流れを見て考えた推論がある。
「私はさすがドジャースだと思った。水原氏の発言がコロっと変わったタイミングでドジャースが水原氏を解雇したのだ。私は何もかもすべての措置を代理人ではなく、ドジャースが行ったと見ている。大谷の会見のタイミングや声明の内容の確認についてもそうだ。万事ぬかりはない。代理人は、今回の問題の初動で下手を打った。代理人も大谷に関する問題のすべてを水原氏任せにしていたことのツケが回ってきたのだろう。その中で、問題の収容に主導権を握ったのはドジャースだったと思う。その背景には、10年7億ドル(約1050億円)もの大枚をはたいた大谷を決してつぶすわけにはいかないというパワーが働いている。彼らは、大谷がさらに活躍するには、水原氏くらいべったりの通訳がいることがかえってマイナスに働くとまで考えていたかもしれない」
 実際、ロバーツ監督やチームメイトも、水原氏抜きのコミュニケーションに満足している。また新しい通訳のウィル・アイアトン氏はドジャースの球団職員。ドジャースの人間が大谷をコントロールできる点も渡りに船だったのかもしれない。
 この賭博スキャンダルが表沙汰になってから大谷は7試合、35打席もホームランがなかった。この問題がプレーに与えた影響について、広岡氏は「それはない」と否定した。
「大谷は、自分のためだけではなく、チームのために夢に取り組んでいる。チームのことを考えて自分を磨く選手なんてそうそういない。日米を通じて選手があるべき姿の理想形だ。ドジャースが結んだ10年契約には疑問はあるが、大谷に関しては、今回の問題が及ぼす影響は何も心配はないだろう」
 そして広岡氏はドジャースのチームカラーが不安を打ち消すという。
「大谷は本当にいいチームに入った。ベッツ、フリーマンら、互いにリスペクトしあっているオールスターが揃っていてチームも選手も前向きだ。昔の巨人がそうだった。強いチームの条件が揃っている。そういうチームでは、誰も今回の問題で大谷の足を引っ張ろうとはしないし、互いにカバーしあう。プレッシャーはあるだろうが、ドジャースのチームカラーが、それらを打ち消してくれる」
 現在ドジャースはナ・リーグ西地区で2位のパドレスに3ゲーム差をつけて首位を独走中だ。
 MLBは今回の問題を調査中で、内国歳入庁と国土安全保障省は共同でこの問題の捜査に乗り出している。MLBのロブ・マンフレッドコミッショナーはフォックススポーツの番組に出演して「大谷の言葉は信用に価する。調査はそう時間はかからないだろう」との見解を示している。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

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