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アルゼンチンのメンバーはイングランドに逆転勝利した後に政治的メッセージの横断幕を掲げた(写真・ロイター/アフロ)
アルゼンチンのメンバーはイングランドに逆転勝利した後に政治的メッセージの横断幕を掲げた(写真・ロイター/アフロ)

“再犯”ならスペイン戦出場停止処分も…FIFAがアルゼンチンが禁止行為の政治的メッセージの横断幕を掲げた問題の調査開始…英政府も「重大な違反だ」と圧力

 アルゼンチンがイングランドに2-1で逆転勝利し連覇へ王手をかけた試合後に1982年の両国間のフォークランド紛争に関係する政治的メッセージの書かれた横断幕を掲げる問題行動を起こした件についてFIFA(国際サッカー連盟)が調査を開始した。FIFAは、これらの行為を禁止しており、罰金処分で終わる可能性が高いが、“再犯”の場合は、出場停止になる可能性もあるという。また英首相や閣僚が「重大な違反だ」と問題視しFIFAに調査を求めていることも明らかになった。

 2012年ロンドン五輪の日韓戦「竹島問題」の時は2試合出場停止処分

イングランドを劇的な逆転で破り、連覇へ王手をかけたアルゼンチンに難題が降りかかった。試合後、観客席から「Las Malvinas son Argentinas(マルビナスはアルゼンチンのもの)」と書かれた横断幕を受け取ると、クリスティアン・ロメロ、リサンドロ・マルティネス、ジオバニ・ロセルソらが、その横断幕をサポーターに向けて掲げたのだ。横断幕の隣にはメッシの姿もあった。
 マルビナスとは、南大西洋にある島々で、イギリスでは「フォークランド諸島」、アルゼンチンでは「イスラス・マルビナス」と呼ばれ、この諸島は1833年以来イギリスによって管理されていたが、アルゼンチンが領有権を主張して1980年代に対立が激しくなった。ついに両国間に軍事紛争が起きて1982年4月2日から6月14日までの74日間続いた。紛争では、計907人が死亡し、その内訳はアルゼンチン人649人、イギリス人255人、島民の民間人3人だった。現在もフォークランド(マルビナス)諸島の管理権はイギリス側にある。
 そういう政治的背景のある両国の対戦だったため観客席ではこの横断幕が掲げられていたが、FIFAは「政治的、侮辱的、または差別的な性質を持つ横断幕、旗、チラシ、衣服、その他の物品」の持ち込みや、政治的メッセージを伝えることを禁止しているため物議を醸すことになった。
 その状況の中で英「トークスポーツ」、ブラジル「プラネタ・ド・フトゥボウ」など複数のメディアが、FIFAがこの問題について調査を開始したことを明らかにした。現時点でFIFAはアルゼンチンの処分内容について明らかにしていないが、「トークスポーツ」は「クリスティアン・ロメロらアルゼンチン代表選手、フォークランド(マルビナス)抗議で出場停止の可能性 英国政府も介入」との見出しを取った記事を掲載し、最悪、スペインとの決勝の出場停止処分が下される可能性を示唆した。
 同メディアは、2014年にアルゼンチンがスロベニアと親善試合を行った際に、試合前に同じ文言が書かれた横断幕を掲げ、写真撮影を行ったため、FIFAがアルゼンチンサッカー協会に2万ポンド(約440万円)の罰金を科したことを紹介。
「この前例からすると、今回の処分も金銭的なものになる可能性が示唆される。ただし、FIFAは今回が再犯に当たることも考慮しなければならない」とし、個人に対して出場停止処分が科せられた例を紹介した。2024年のユーロの決勝でスペインがイングランドを破った試合後に「ジブラルタルはスペインのものだ」とのチャントを歌ったスペイン代表のロドリとアルバロ・モラタに対し、UEFAが1試合の出場停止処分を科したことがあるという。

 

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