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8年ぶりに単独首位に立った中日。立浪監督はキャンプから手応えを感じていた(写真・黒田史夫)
8年ぶりに単独首位に立った中日。立浪監督はキャンプから手応えを感じていた(写真・黒田史夫)

本物?今だけ?中日が8年ぶり単独首位に立てた理由…立浪監督が語っていた再建策…「ビジターでの先取点と与四球の撲滅」

 小笠原は2点のリードを守り、8回からは勝野、9回はマルティネスの必勝リレーで逃げ切った。ヒーローインタビューで小笠原は、「風が強かったんですけど、木下さんのリードで何とか抑えられました」とリードを任せた木下に感謝の意を伝えた。
 3試合連続の完封勝利を成し遂げた広島3連戦では柳、涌井、メヒアで勝ち、ローテーの6人中、5人に白星がついた。チーム防御率は驚異の1.94。目立つのは、与四球の少なさだ。この日も含めて、10試合中、3試合で無四球試合。広島との3連勝中も柳がひとつ、涌井がゼロ、メヒアがひとつと、とにかく四球を与えていない。
 立浪監督も「勝負しようとしている。四球を出す場面もあるが、いい効果が出ている」と与四球の少なさを評価した。
 実は、これは昨年“日本一”となった阪神の戦いから得たヒントだった。阪神は、打線がリーグ最多の四球数をマークしたが、投手陣の与四球もリーグ最少の315個。対する中日の与四球数は445個もあった。立浪監督は、昨秋のキャンプから、そこを改善点としてピックアップした。打者には技術を求めたが、投手にはメンタルを求めた。
「バッテリーに関しては技術以上にメンタルの影響が大きい。どうせやられるなら思い切っていかないと」。春季キャンプで今中慎二氏に臨時コーチを依頼したのも、その現役時代の強靭なメンタルを叩き込んでもらうのが目的のひとつだった。今中氏は、四球撲滅を徹底して説いた。
 元々は投手陣のポテンシャルの高さは阪神にもヒケをとらない。
 球界ナンバーワンストッパーのマルティネスも最後に控える。だが、打線の低迷が重荷となって「先に点を与えてはいけない」とバッテリーに余裕がなくなり、そこに守りのミスも重なった。昨季は開幕投手を務めた小笠原が7勝12敗、柳が4勝11敗、涌井が5勝13敗、高橋宏が7勝11敗とローテ―の4枚看板がいずれも借金を作った。だが、ストライクゾーンで勝負できるようになり、元々あった潜在能力が覚醒し始めている。
 立浪監督は「その勝ち負けがひっくり返る可能性がある」と見ている。机上論ではあるが、もしこの4人の数字がひっくり返るだけで、24勝がプラスとなり、80勝できる計算となる。

 

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