「箱根は私たちが勝ちますよ」全日本大学駅伝は駒大が完勝も3位の青学大・原監督が箱根駅伝に向けて豪語した理由とは?
「2位というのは非常に悔しいですけど、選手たちが自信を取り戻してくれたと思います」と藤原監督。箱根駅伝に向けては、前回1区を独走した吉居、同3区で区間賞を獲得した本間颯(3年)が調子を上げてきた。さらに前回2区の溜池も「今日はいい走りができたので、65分台ではなく、もう少し上を狙っていきたい」と日本人最高記録を視野に入れている。前回欠場した柴田は4区を希望しており、「山は自信があります」と藤原監督。ピーキングが合ったときの中大はかなりの爆発力を秘めている。
連覇を目指した國學院大は4位に終わった。当日変更で3区に入った野中恒亨(3年)が留学生を抑えて区間賞を獲得。トップの駒大に1秒差と迫ったが、6区で駒大に引き離されて、7区の青木瑠郁(4年)で4位に転落した。
「3区野中で独走して、4区高山豪起(4年)でリードを広げるという戦略でしたが、2区でちょっとした誤差があって、野中で追いつくまでしかいかなかった。4区は中大につかれるかたちになり、5区は駒大・伊藤君にドカンといかれて、リズムを狂わされましたね。野中を7区ではなく、前半区間に置いたのは箱根に向けての戦略(テスト)もあったんですけど、僕の采配の甘さが出たと思います」(前田康弘監督)
箱根以外の駅伝では昨年から〝無敗〟を誇ってきただけに、今回の結果はチームにとって起爆剤になるだろう。正月決戦に向けては、「山はちゃんと準備をしています。ただ2区は誰でいくのか。絶対的な存在の黒田君がいますから、そこに対抗できないと、うまく流れをつかめません。その辺はもう1回考えます」と前田監督は悩んでいる様子だった。
一方、箱根駅伝の2区と5区にダブルエースを配置できるのが早大だ。今大会は5位に終わり、出雲駅伝(2位)のようなインパクトを残すことができなかった。しかし、最終8区で工藤慎作(3年)が早大・渡辺康幸が保持していた日本人最高記録(59分59秒)を5秒上回る56分54秒で区間賞。「山の名探偵」に大きな期待が注がれている。
「工藤は私の想定よりも40秒以上良かった。言うことないですよ。箱根で勝つなら、山口と工藤のふたりが区間賞を取るぐらいの活躍をしないといけない。山口は前半区間を予定していましたが、10日ほど前から7区の準備をしました。箱根に向けた練習のつもりで走らせましたので、まずまず合格点だと思います。工藤が5区をやるとなったら区間新記録がひとつの目標になるでしょう。往路優勝はしたいので、そこに向けたチーム作りをしていきたいと思います」(花田勝彦駅伝監督)
他にも2区で楠岡由浩(4年)が区間タイ記録をマークして6位に食い込んだ帝京大、留学生が不発ながら7位を確保した創価大も箱根駅伝で上位進出を狙える戦力がある。決戦まで約2か月。来年の箱根駅伝で笑うのは誰だ。
(文責・酒井政人/スポーツライター)

