「なんで急に問題になるんだ?」井上尚弥vs中谷潤人の前日ルール会議が緊迫…井上サイドが中谷のバンテージの巻き方に違反の疑念を抱き異議を申し立て、ルディトレーナーが激怒
世界戦のバンテージは統括するローカルコミッション、つまり今回の場合はJBCルールに準じると規定されている。JBCルールでは「ねじって固める」「ロ―ル状に丸める」「水に濡らす」になどによって作成された積層材の使用を禁止している。
2018年に「バンテージの装着方法について」との告知を出し、写真を掲載して「〇×」をつけてOKの例とダメな例を具体的に示した。これらが禁止されている理由は「拳が硬くなる効果がある」からだ。
井上陣営は、中谷が使用しているバンテージの積層材は、この「ロール状に丸める」に該当するのではと指摘したのである。
だが、バンテージも担当しているルディ・ヘルナンデストレーナーは「これまでOKだったものが、どうして急に問題になるのか?」と激怒したという。
実は、昨年6月に行われた元IBF世界バンタム級王者の西田凌佑(六島)との2団体統一戦の際にも、このバンテージの巻き方が問題になり、六島陣営は、中谷の積層材がJBCが禁止と示しているロール状に巻いたものではないかと抗議した。だが、この時はJBCがその積層材を確認したところロール状に巻かれてはいたが、拳を保護することを目的したものでその実物が柔らかく問題がなかったためそのまま許可した。
中谷サイドになんら悪意はなかったと見られるが、その過去の情報を得た井上サイドは、ルールを厳格に遵守するのであれば「ロール状に巻くことは禁止されているのではないか?」と疑念を抱き異議を申し立てたのだ。もしロール状に巻かれているのであれば、実分が柔らかくてもアウトだろう。
ルールミーティングでは実際にガーゼを出して違反ではない巻き方が確認されたという。
結局、ルディトレーナーは怒りの鉾をおさめ、JBCの安河内剛本部事務局長によると「当日のバンテージチェックの際に現場で両陣営が見てローカルコミッション(JBC)が見て何かあればその都度問題にしようということになった」という。
井上陣営は当日の試合前のバンテージチェックで、トラブルにならないため、ルールミーティングで示されたバンテージの巻き方を動画に撮影したという。
一方のスティーブン・フルトン(米国)とのWBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、相手陣営からクレームをつけられ、昨年末のサウジアラビアでのアラン・ピカソ(メキシコ)戦では、巻き直しを命じられた、井上の肌に直接テープから巻くテーピングの巻き方には問題がないことがルールミーティングで確認された。
正式なゴングを前にモンスターとビッグバンの人生のかかった「絶対に負けらない」戦いのゴングは裏舞台ですでに打ち鳴らされた。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

