ソフトバンクV3の小久保監督は”名将”となったのか?王会長は「余裕を持ってどっしり構えている」と絶賛…「選手の所作やコメントまで細やかに見て許さない厳格小久保ルール」と栗原のクレーム
そしてその不安な投手陣をカバーしたのが強力な野手陣だった。
池田氏は「1番正木」、「栗原の覚醒」、「柳田の復活」、「山本のトレード」の4つをポイントとしてあげた。
「正木の1番、周東の2番が機能した。データを重要視するソフトバンクらしく正木は走れないが、出塁率の高さを評価され、長打も打てる新しい1番像を作った。そして正木が倒れても2番の周東が1番の代わりとなって控える。その後ろに近藤、栗原と並ぶのだから他球団のバッテリーは嫌だったはず。打率1割台の山川が2軍落ちすることになったが、その穴が話題にならないほど下位打線もつながった」
開幕1番は、周東で、柳町、野村らも試されるなど固定できていなかったが、5月16日の楽天戦から正木をトップバッターに据えると、それがはまった。正木は打率.286、27本塁打、58打点で、出塁率.385は近藤に次ぐリーグ2位だ。そして4番の栗原は本塁打&打点で2冠。3番の近藤との“コンクリコンビ”でなんと209打点。2人がともに打点を挙げた試合は25勝1敗である。
池田氏は「栗原はコンディションに気を使い、故障なく1年を過ごせたことと、常に近藤から助言をもらい、逆方向への打球の飛距離がアップしたことが覚醒の理由。オープン戦では調子があがらずスタメン落ちの可能性もあったが、そこから這い上がってきた」と指摘した。
そして、3年ぶりに規定打席に到達して打率.297、17本、63打点と37歳にしてV字復活した柳田の存在も見逃せない。
池田氏は「体が見違えるようになった」点に注目した。
「ギータもずっと怪我で苦しんできた。今年は一度体重を落とし、脂肪をそぎ落とした上で新たな筋肉をつけた。それは凄まじいトレーニングだったと思うが、肉体改造が故障防止に役立った」
また池田氏は「山本のトレードが大きかった」という。
「海野の打撃がチームのウィークポイントだったが、山本の加入で、そこが埋まり海野も刺激を受けて打力が上がった。交流戦では西武と優勝を争ったが、山本の持っていたセ・リーグ情報が大きかった。編成はずっと山本を追いかけていたそうだがフロントの決断が起爆剤となった」
5月12日に尾形、井上との2対1トレードで横浜DeNAから獲得した山本は、途中、有鈎骨骨折で離脱するも、攻守にわたってチームに新しい風を吹かせた。
ただ最強ソフトバンクの戦いはまだ終わっていない。
優勝インタビューで小久保監督は「今年は新たなルールがありますので、ベテランは休みたいでしょうが、2位と10ゲーム差を意識しながら残り試合を戦いたい」とコメントした。今季からクライマックスシリーズのルールが変更され、ファイナルステージでは、1位球団とファーストステージ勝者のレギュラーシーズンのゲーム差が10ゲーム差以上の場合、もしくはファーストステージ勝者のレギュラーシーズン勝率が5割未満の場合に「5勝先勝の7試合制」でアドバンテージが2勝となる。現在2位の西武とは11ゲーム差だ。

