織田翔希獲得のためのセット指名なんかじゃない!「世界一のショートを目指す」巨人から3位指名の池田聖摩の凄さの秘密とは?
プロ野球のドラフト会議が22日に都内のホテルで行われ、メジャー挑戦を表明していた神奈川・横浜高の織田翔希を1位で単独強行指名した巨人が、3位で横浜のチーメイトのショートストップ、池田聖摩(しょうま)も指名して交渉権を獲得した。生まれ育った熊本県に巨人が開校したベースボールスクールで幼少期に基礎を叩き込まれた“縁”を持つ池田は、同時に元陸上選手の父・祐一さん(58)の勧めで陸上との二刀流にも挑戦。熊本県の中学歴代最長記録を更新したやり投げで培った驚異的な地肩の強さを武器に「世界一のショートを目指す」と宣言した。
「指名されるか不安だった」
安堵感に続いて、たとえようのない喜びが込み上げてきた。
ウェーバーでセ・リーグ覇者の阪神から指名が始まった3巡目。3球団目の巨人の指名選手が池田と発表された瞬間に、ドラフト会議が中継されていた横浜高校内の小講堂が大歓声と割れんばかりの拍手に包まれた。
メジャー挑戦を表明しながらも巨人に1位で強行指名された織田のときとは、同じどよめきでも野球部員の受け止められ方が大きく異なった。人生を左右するドラフト会議の進行を見守っていた池田は、右隣にいた村田浩明監督と笑顔で握手。小講堂から記者会見場に様変わりした中で、ひな壇で初々しい第一声を発した。
「正直、指名されるか本当に不安でした。監督をはじめとする指導者やスタッフの方々に支えられてここまで来られたと思っていますし、ここから先が自分自身の本当の勝負になるので、さらに活躍できるように頑張っていきたい。自分の一番の武器は守備であり、肩にも絶対の自信があるので、まずは守備を見てほしいと思っています」
指導者の一人に元巨人選手の山本光将さんがいる。
高校通算61本塁打をマークした山本さんは、2002年のドラフト5位で熊本工業高校から巨人に入団。一軍出場がかなわないまま2008年限りで引退し、2009年4月に開校した巨人アカデミーのフランチャイズスクール、ジャイアンツメソッド宮崎ベースボールスクールのコーチに就任。その後に熊本校のコーチも務めた。
その熊本校に入校したのがまだ幼い池田だった。コーチに就任したばかりの山本さんの指導を受け、山本さんが在籍した巨人から3位指名を受ける。この日に熊本県から駆けつけ、夫人の美蘭さんとともに小講堂でドラフト会議の行方を見守った祐一さんは、当時と息子の晴れ姿とを懐かしそうに重ね合わせた。
「毎回のように基礎、基本を教えていただいて、さまざまなデータも取っていただいた。(巨人との)縁ですか? 多分ありますよね」
祐一さんもまた池田を育てた指導者の一人だった。
野球と陸上との二刀流で活躍した祐一さんは、中学まではプロ野球選手を夢見ていた。しかし、高校進学を機に野球の夢をあきらめて陸上に専念。高校、大学と陸上で活躍し、現在は熊本県内の高校で陸上競技部監督を務めている。
そして自身の経験に照らし合わせるように、池田にも陸上を勧めた。喜んで二刀流に挑んだ池田は熊本中央ボーイズでエースと4番を務め、同時に山鹿中学陸上部にも所属。やり投げと走り幅跳び、三段跳びで県大会を制し、特にやり投げでマークした72m55は今も熊本県の中学歴代最長記録となっている。

