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W杯でその発言が物議を醸した塩貝が代表初ゴール( 写真:なかしまだいすけ/アフロ)
W杯でその発言が物議を醸した塩貝が代表初ゴール( 写真:なかしまだいすけ/アフロ)

「黙らせる」パフォの塩貝健人がW杯ブラジル戦前の発言を巡り家族への誹謗中傷を「一番悔しかった」…「スタイルは変えない。結果が出ている時に大きいことを言うのは誰でもできる」

 直後に塩貝がオフサイドポジションにいたとしてVARが介入。数分間に及ぶ確認を経てオフサイドはないと確認された。
「この1点で満足するような場所を目指しているわけではないので。ライバル……僕はライバルだと思っている上田選手が、直後に3点目を決めても涼しい表情をしていた。その意味では僕もこの1点で喜んでいる場合じゃないと思っています」
 この夏に欧州5大リーグのひとつ、フランスのリールへステップアップ。新天地でもゴールを量産している森保ジャパンのエースストライカーを、敬意を込めて「ライバル」と位置づけた塩貝は、反省点を挙げるのも忘れなかった。
 実はピッチに立ってからゴールを決めるまでの短い間に、塩貝は相手ゴール前で強引に単独突破を図っては2度潰されていた。試合後に名波浩、長谷部誠両コーチから意図を確認され、チームメイトからも注文をつけられた場面をこう振り返った。
「ゴールが、ゴールが、と思うとボールしか見えなくなるし、実際、あの2つの場面で僕には外が見えていなかった。僕としても周囲を使わなかったというより、ボールウォッチャーになって周囲を使えなかった、という表現が正しいと思っている。試合に出場し続けるためには、ああいうところを改善していかなきゃいけない」
 強気で貪欲。それでいて素直に自分のミスを認め、ゴールまでの流れに象徴されるように試合中にすぐに修正してみせる。3月の代表初招集から半年で、チーム内で愛される存在となっているのだろう。試合後の取材エリアで、表情を変えずにメディアの質問に答えている背後を通った堂安律(アイントラハト・フランクフルト)が声をかけた。
「笑えよ」
 ファン・サポーターも同じだ。キックオフ前のリザーブ発表時も、途中交代で名前がアナウンスされた瞬間も、スタンドのボルテージが上がった。
「僕は今回の代表の中では実績もないほうだし、プロとしてまだ2年半くらいしかやっていないのに、ああいう形で期待されているのはすごくうれしいし、ありがたい。今回の活動はまだ3試合あるので、どれだけチャンスがあるのかはわからないですけど、また違った部分というのを見せられたらと思う」
 半年間限定で異例の続投を決めた森保一監督も「練習からギラギラしていて、見ていて『こいつすげえ、もっとうまくなる』と思っていた」と目を細めるストライカーが、25歳で迎える4年後の次回W杯へ向けて、その船出にふさわしい輝きを放った。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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