• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • 「井上尚弥戦に万全の準備が整ったとは言えない」9.14名古屋で激突するWBA暫定王者アフマダリエフが“モンスター前哨戦”を8回TKOでクリアも残した不安…左拳を痛めた疑念も
9.14名古屋で井上尚弥vsアフマダリエフ(マッチルームの公式Xより引用)
9.14名古屋で井上尚弥vsアフマダリエフ(マッチルームの公式Xより引用)

「井上尚弥戦に万全の準備が整ったとは言えない」9.14名古屋で激突するWBA暫定王者アフマダリエフが“モンスター前哨戦”を8回TKOでクリアも残した不安…左拳を痛めた疑念も

 プロボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32、大橋)が9月14日に名古屋の「IGアリーナ」で対戦する予定のWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(30、ウズベキスタン)が5月30日(日本時間31日)、メキシコのグアダラハラでルイス・カスティージョ(29、メキシコ)と対戦して8回2分5秒TKO勝利した。2度ダウンを奪い形的には圧勝だが、実力差のある相手を仕留めるまでに時間がかかり、途中古傷である左拳を痛めた疑念もあり最強挑戦者としての不安が残った。

 左ボディ、左フックで2度ダウンを奪う

 負けるわけにはいかない“モンスター前哨戦”をアフマダリエフがクリアした。
 3ラウンドにワンツーでぐらつかせると、4ラウンドの終了間際に左のカウンターのボディショットを打ち込み、判定はスリップとなったが、カスティージョは、たまらずキャンバスに倒れた。
 5ラウンドには、再び左のボディアッパーで両膝から崩れ落とした。今度は正真正銘のダウン。続く6ラウンドにはプレスをかけて左フックで2度目のダウン。ただ7ラウンドには仕留めることができず、8ラウンドに強烈な右のフックから、左右のパンチで、鼻血を吹き出させ、さらにパンチをまとめると、カスティージョのコーナーからタオルが投入された。
 リング上でアフマダリエフは叫んだ。
「イノウエ!9月14日だ。オレは準備ができている」
「ウズベキスタンパワーを見せてやる!」
 そう言ってマッスルポーズをとった。
 アフマダリエフが契約する英大手プロモート会社「マッチルーム」の名物プロモーターであるエディ・ハーン氏が、5月28日に行われた力石政法(大橋)とエドアルド・ヌニェス(メキシコ)のIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦で来日。すでに9月14日に名古屋の1万7000人収容の新設アリーナ「IGアリーナ」での防衛戦の契約が完了していることを明かしていた。
 井上もすぐさまXで反応。「これで整った。名古屋決戦」と投稿した。
 アフマダリエフの対戦相手のカスティージョは、両耳の聴覚がほぼないというハンディキャップを乗り越えてリングに立っているボクサーでWBAのスーパーバンタム級13位にランキングされたこともある。2023年2月には大阪で亀田和毅(TMK)と対戦し、鼻を折られて5回TKOで敗れている。ハーン氏は、今回の試合を「小さい試合。12月から試合をしていないから契約上消化する試合だ」と表現。大橋会長も「何も心配していない」と見守っていたが、それだけの実力差があるにもかかわらずアフマダリエフは、仕留めるまで亀田より3ラウンドも多く時間を要した。
 ジャブも含めた手数が少なく一発を狙いすぎていた。
 中継したDAZNの解説者には、「もっと忙しく手を出すべきだ。完璧なショットを狙いすぎて、無駄な動きが多い。カスティージョが多くのミスを犯しているのにカウンターも打てていない」と酷評され、「モンスターとの試合に向けて準備万全とは言えない」と苦言を呈された。6ラウンドにダウンを奪ったにもかかわらず7ラウンドに猛攻を仕掛けることもなく「待ちすぎだ」とも指摘された。最後まで必死に反撃を続けていた地元のカスティージョの右を浴びるシーンもあった。
 そしてさらなる不安も残した
 左拳を痛めたのでは?との疑惑だ。

 

関連記事一覧