「マー君は巨人で何勝もできない」酷評してた“辛口”巨人大物OBが日米通算202勝の田中将大を“手のひら返し”の「生き生きしている。最低7勝はいくんじゃないか」復活へ太鼓判
巨人の田中将大(37)が16日、甲子園での阪神戦に先発し、6回82球7安打無四球3失点の踏ん張りを見せてリードを守ったまま降板。チームは4-3で逃げ切り、田中が今季2勝目、日米通算202勝目をマークした。近鉄、ドジャースなどで活躍した野茂英雄氏が持つ201勝を抜き単独3位に浮上した。巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏(94)は、巨人入団時に「巨人では何勝もできない」と活躍に否定的だったが「今は生き生きしている。最低7勝はいくんじゃないか」と“手のひら返し”の復活へ太鼓判を押した。
5回のピンチに森下をスプリットで空振りの三振
“甲子園の申し子”が母なるマウンドに帰ってきた。
田中が阪神を相手に1点のリードを守って6回を3失点に踏ん張り、楽天時代の2010年5月16日以来、実に16年ぶりとなる甲子園での阪神戦勝利を手にした。
ヒーローインタビューに指名されたマー君は、甲子園での勝利が16年ぶりであることをふられると表情を緩めて「ふっ」と笑い。
「いやあ。本当に久しぶりに勝つことができたんで嬉しいですね」
しみじみとそう語った。
駒大苫小牧高時代の2006年の夏の甲子園決勝は、ハンカチ王子こと、斎藤佑樹の早実と延長15回を戦い、引き分け再試合となり、敗れたものの、語り継がれる名勝負となった。
それから20年の月日が流れた。
楽天、ヤンキースで大エースとして活躍し、楽天への凱旋を経て、今度は巨人のユニホームを着て2年目にヒーローインタビューを受けることに、マー君も特別な思いがあったのだろう。
初回にダルベックの3ランの援護をもらいながらも、その裏、佐藤のインハイへ投じたストレートをバックスクリーン右へ運ばれて1点差に詰め寄られた。詰まらせたがセンターへ向かって吹いた風とパワーアップした昨季の2冠王に1本取られた。
だが、ここからが田中の真骨頂だった。丁寧に低めをつき、カーブを有効的に使って、緩急をつけて阪神打線を空回りさせていく。
4回には一死一塁から佐藤をショートゴロに打ち取るも、泉口が焦って、併殺に取れないミス。苦笑いを浮かべた田中は、大山のタイミングを完全に外してレフトフライ、そして前川はカーブで空振りの三振に打ち取った。5回にも、また浦田の併殺を焦った記録に残らないミスなどがあり、一死満塁の大ピンチを迎えた。中野にはレフトへ犠飛を打たれて、再び1点差にされるも、続く森下をスプリットでハーフスイングの三振。ここでも低めゾーンを使う丁寧な投球でピンチを脱した。
田中は6回も続投。佐藤から始まる怖い打順を無失点に抑えて田中瑛にバトンタッチ。8回は大勢が先頭の森下に二塁打を浴びるも17球連続ストレートの熱投で無失点に切り抜け、9回は守護神のマルティネスが3人斬りで、マー君に日米通算202勝となるメモリアル勝利をプレゼントした。野茂氏を抜いて歴代単独3位に浮上。2位の黒田博樹氏の203勝に王手をかけ、1位のダルビッシュ有の208勝も視界にとらえた。
阿部監督も、2試合連続の4-3勝利の1点差ゲームを「想定内です」と語り、田中の投球を「よく粘った。試合をしっかり作ってくれた。まだまだ勝ち星を伸ばして欲しい」と称えた。
田中は前日の雨天中止からのスライド登板となったが、豊富なキャリアが難しい調整も問題にしなかった。
それでも田中自身は「なかなか狙ったところにボールが決まらず苦しい投球だった」と振り返っている。

