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藤木勇我が衝撃の2回TKOデビュー(写真・山口裕朗)
藤木勇我が衝撃の2回TKOデビュー(写真・山口裕朗)

ネクストモンスター“大本命”藤木勇我が衝撃の2回TKOデビュー…井上尚弥絶賛のジャブだけでぐらつかせるも自己採点は30点「実力の半分も出せていない」…3人の日本人王者に挑戦状を叩きつける

 アマ49 戦無敗で9冠の藤木勇我(18、大橋)が10日、後楽園での59.9キロ契約の6回戦でプロデビューし、タイ国スーパーフェザー級王者でWBOアジアパシフィック同級15位のウィラ・ミカム(28、タイ)を2ラウンド2分5秒TKOで下した。1ラウンドに左ジャブでぐらつかせ、2ラウンドにラッシュをかけたところでレフェリーがストップ。それでも自己採点は30点で「実力の半分も出せていない」と不満足で、大橋秀行会長(60)はすべてを見せていないことを明かした上で「2年以内に世界王者」の路線に変更がないことを断言した。

 

井上尚弥と大橋会長がリングサイドで見守った(写真・山口裕朗)

 最後はワンツーでレフェリーがストップ

 「ザ・キング」の看板に偽りはなかった。
 スピードのないミカムは、藤木の敵ではないと予想していたが、1ラウンドになんと左ジャブでぐらつかせ、右ストレートでロープへぶっ飛ばした。
「軽く打っただけで効いたのでジャブにもっと自信を持った」
 リングサイドの最前列にいたパウンド・フォー・パウンドの井上尚弥が藤木の練習を見て絶賛した左ジャブ。前日計量では、ファンに見せたいパンチを「ジャブ」と明言していたが「緊張して舞い上がっていた」という状況の中で、その宝刀がプロで通用することを示した。
 だが、藤木は強引にフィニッシュにもっていくことを自重した。
「プロの試合をいっぱい見てきてああいうところからの逆転KO負けもあった。そういうのが(頭を)よぎりながら冷静にやった」
 18歳とは思えない。アマで49戦無敗。9冠を達成し、最後の試合となった昨年11月の全日本選手権では、本来の階級より上のウエルター級(65キロ)で、興国高3年でありながら社会人や大学生を蹴散らして優勝した。その実績を生んだ思考なのだろう。
 2ラウンドに入ると、今年2月にタイの国内タイトルの2階級制覇に成功したミカムも意地を見せて前へ出てきた。左右のボディを振り回すが、いかんせん威力はない。
 あえて受けた藤木は「8オンス(のグローブでも)あまり変わらなかった。すきますきまのパンチも見えていた。ブロックできたし、パンチも足でよけられていた。大丈夫でした」という。
 逆にジャブにアッパーをまじえ、右のクロスが炸裂した。そこから一気にラッシュ。よろけて下がったタイ人は、もうあきらめたかのように笑みを浮かべた。
「(最初の右を相手は)見えていない。いい感覚で放った。ニヤッと笑ったんで効いているんだなと」
 ワンツーを叩き込むとレフェリーが割って入ってTKOを宣告した。
 藤木は右手を掲げ1580人で埋まった満場の観客席をあおった。
「こんなんで効くんだと。正直、あまり強く打っていない。(拳を)握るくらいで力を入れずスピードでやった」
 まるで手ごたえはなかったが、一方で「ほっとした。初めての気持ち」の本音も。
 チケットはフェニックスバトル史上最速でソルドアウト。藤木は個人的に約200人のチケットを手配した。沖縄やスペインのプロでプレーしている友人のサッカー選手も駆けつけたという。
 6回戦のデビュー戦でありながら異例のメインに抜擢された。 
「メインのプレッシャーはなかった。でも緊張感はあった。アマと違うので負けたら、評価もそうだけれどスタート位置が変わってきますから」
 試合内容には満足していない。
「実力の半分も出せていない。打ったのは真っ直ぐのパンチと右アッパーくらい」
 昨年9月のWBOアジアパシフィックライト級タイトルマッチで、王者の宇津木秀(ワタナベ)が右のカウンターでストップ勝利したのと同じ2ラウンドで仕留めたというのに自己採点は30点。
 スパーリングを通じて藤木の本当の実力を知る大橋会長も「仰る通りです」と同調した。
「ギアを上げる前に終わっちゃった。もっと強力なパンチがある。物足りなさはある」
 ボディブローもカウンターのフックも見せていない。
 ただ大橋会長の藤木への「2年以内に世界王者」という評価は「変わらない」という。

 

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