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9年9か月ぶり代表復帰の宮市亮はスピードを見せつけたが若手主体の中国から得点を奪えなかった(写真・アフロスポーツ)
9年9か月ぶり代表復帰の宮市亮はスピードを見せつけたが若手主体の中国から得点を奪えなかった(写真・アフロスポーツ)

「選手任せ」森保采配で若手主体の中国にショッキングな”収穫無き”スコアレスドロー…寂しい観客席が追い打ち

大会へ向けた準備期間をほとんど取れない状況で、香港戦では7人招集した横浜F・マリノス勢のうち5人を先発で起用。J1リーグ戦の首位を快走するマリノスのコンビネーションを軸に、他チームの選手を組み合わせる戦い方を採用した。

 中国戦も然り。J1リーグ戦の日程との兼ね合いで、初戦は起用できなかった広島勢を軸に戦う。招集した6人のうち5人を先発させ、後半24分からは大卒ルーキーのFW満田誠(23、流通経済大)も代表デビュー戦のピッチへ送り出した。

 今シーズンから指揮を執るドイツ出身のミヒャエル・スキッベ監督のもと、開幕前の予想を覆す形で4位(代表発表時)につける広島を、森保監督は2位の鹿島アントラーズよりも高く評価していた。代表メンバー発表時には次のように言及している。

「チームとして攻守ともにアグレッシブに戦う姿勢が見えているなかで、チーム戦術のなかで輝きを見せている選手を今回は招集させてもらった」

 もっとも、今シーズンの広島は3バックで戦っている。しかし、中国戦における日本は4-2-3-1。香港戦と同じシステムに、広島の5人があてはめられた形だ。

 皮肉にも中国戦で機能したのは、A代表初先発のFW宮市亮(29)に同デビューのDF小池龍太(26、ともに横浜F・マリノス)、そして脇坂がからんだ右サイドだった。対照的にFW森島司(25)にゲームキャプテンのDF佐々木翔(32)、A代表デビューのボランチ野津田岳人(28)と広島勢が配置された左サイドが機能したとは言い難い。

 オンライン形式で行われた試合後の記者会見で、森保監督も特に攻撃において左右のバランスが“歪”だったと認めた上で、こんな言葉を紡いでいる。

「右で突破してチャンスを作れていたので、右肩上がりは問題ないと思っていた」

 つまりアンバランスを承知の上で、手をつけなかったと明言したに等しい。広島勢のコンビネーションを生かすのであれば、広島と同じ3バックを採用するのも一手だったのではないか。アジア最終予選や6月シリーズは4-3-3に、今大会は4-2-3-1に選手をあてはめるだけで、いざ始まれば選手任せの采配はまったく変わらない。

 選手交代も然り。途中から送り出された5人全員が、そのまま同じポジションでプレーしている。システムを変えるわけでも、前線の人数を増やすわけでもない。実質的な5バックで守備を固める中国を攻めあぐね、自ら白星を手放した感は否めない。

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