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尾を引く紳士協定違反問題にアビスパ福岡のGK永石拓海がSNSで理解を呼びかけた(写真・アフロ)
尾を引く紳士協定違反問題にアビスパ福岡のGK永石拓海がSNSで理解を呼びかけた(写真・アフロ)

尾を引く福岡の”紳士協定違反問題”でGK永石拓海がSNSで理解を求める訴え…「心無い言葉や目を背けたくなるようなメッセージが届いていることはとても辛い」

福岡のFWルキアン(30)も不満を抱いた一人だった。

 前半21分の福岡の同点ゴールをさかのぼっていくと、相手選手との激しい接触プレーでMFジョルディ・クルークス(28)がピッチ上に倒され、敵陣の中央でうつ伏せになったまま動けなくなった場面に行き着く。クルークスの状態を考慮した名古屋側は、意図的にボールをタッチラインの外へ蹴り出して試合を中断させた。

 幸いにもクルークスは大事なく立ち上がり、試合は福岡のスローインで再開された。この場合はフェアプレー精神に基づいた紳士協定で、名古屋へボールを返すのがマナーとなる。ピッチ上が暗黙の了解に支配されたなかで、スロワーのDF前嶋洋太(25)は名古屋の守護神ランゲラック(34)へ向けてボールを投げた。

 しかし、右サイドへ猛然とダッシュしてきたルキアンがボールをカット。マイナス方向へ折り返したパスを、倒れていた関係で福岡ボールのスローインになった経緯をそのときは知らなかったクルークスがゴール右隅へ蹴り込んだ。

 事実に気がついたからか。クルークスは前半終了後に名古屋ベンチへ向かい、長谷川健太監督(56)に謝罪した。4日に更新した自身のインスタグラム(@jordycroux14)でも「あのゴールは、相手選手へのリスペクトに欠けるものでした」と謝罪した。

 しかし、ルキアンは違った。4日未明に更新した自身のインスタグラム(@luk_091)で「今日の私のプレーに後悔はしていません」と綴り、さらにこう続けている。

「倒れている選手がいるままプレーが続行、名古屋先制の前に審判がプレーを止めるべきでした。だから、私はあの行為をとりました」

 審判団へ向けていたはずの不満を名古屋へ、しかもアシストという形で表したルキアンには特に激しい非難が集中した。インスタグラムで「批判されるのは悲しいです」と綴ったルキアンを含めて、永石はチームメイトたちの心情をくみ取った。

「試合中には勝利に対する強い思いからいつも以上に熱くなったり、無我夢中で周りが見えなくなることが起こり易くなります。ルキ(ルキアン)やジョルディ(・クルークス)のプレーにもそれが起こった理由や背景があって、第三者から見たら納得いかなかったり色んな気持ちになる事があります」

 その上で同学年の自分の状態を気づかい、試合後すぐに連絡を入れてくれた重廣を含めて「彼らは素晴らしい人間性の持ち主です」と伝えた永石は、批判の域を越え、誹謗中傷が飛び交っていると見られる状況に対する思いも綴っている。

「その個人に対する表面的な理解や印象で、心無い言葉や目を背けたくなるようなメッセージが届いていることはとても辛いです。ポジティブな時は跳ね除けることが出来る言葉も、ネガティブな時はいつも以上に刺さったり、響いたりします」(原文ママ)

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