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ブライトンの三笘がウエストハム戦で決めたスライディング弾。日本人のプレミアシーズン最多得点記録に並ぶ今季6ゴール目だ(写真・ロイター/アフロ)
ブライトンの三笘がウエストハム戦で決めたスライディング弾。日本人のプレミアシーズン最多得点記録に並ぶ今季6ゴール目だ(写真・ロイター/アフロ)

三笘薫がW杯“MITOMAの1ミリ”をほうふつさせるスライディング弾で日本人のプレミアシーズン最多得点記録「6」に並ぶ

 ブライトンの日本代表MF三笘薫(25)が4日、ホームで行われたプレミアリーグ第26節のウェストハム戦でゴールを決めチームは4-0で快勝した。三笘は前半17分にPKを奪って先制点を演出、後半24分に速いクロスに反応して鮮やかな“スライディング弾”を決めた。公式戦で4試合ぶり、リーグ戦では3試合ぶりとなるゴールは、今季6得点目となり、香川真司(現セレッソ大阪)、岡崎慎司(現シントトロイデン)の持つプレミアリーグでの日本人のシーズン最多得点に並んだ。

 高速のグラウンダークロスに反応

 

 つい最近も見たシチュエーションだった。
 右サイドからグラウンダーの高速クロスが放たれた後半24分。ペナルティーエリア内を対角線上に横切っていく弾道に、守るウェストハム、攻め込むブライトンの選手の誰も反応できない。しかし、ボールがゴールラインへ近づいてきた瞬間に状況が一変した。
 ファーサイドへトップスピードで走り込んできた三笘が、最後はスライディングしながら右足をヒット。ボールをゴールへ流し込み、自らは衝突する寸前で左ゴールポストを避けてゴールラインの外へ飛び出していく。勝利を不動のものにする3点目が決まった。
 W杯カタール大会の興奮と感動が蘇ってくる。
 決勝トーナメント進出をかけたスペイン代表とのグループステージ最終戦。1-1の同点に追いついた3分後の後半6分にも、同じようなシチュエーションが生まれた。
 右サイドから同点弾を決めたMF堂安律(24、フライブルク)がグラウンダーの高速クロスを送るも敵味方の誰も触れない。そのまま反対側のゴールラインを割りかけた刹那にFW前田大然(25、セルティック)が、その外側には三笘がトップスピードで飛び込んできた。
 前田は届かなかったが、三笘の左足はボールにヒット。中央への折り返しを詰めてきたボランチの田中碧(24、フォルトゥナ・デュッセルドルフ)が押し込んだ。当初はゴールラインを割ったとしてノーゴールとされたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入で判定が覆る。最後の最後まであきらめなかった“三笘の1mm”として伝説になった。
 スペイン戦から3カ月あまり。今度はアシストではなくゴールを決めた。
 ウェストハムの最終ラインへプレスをかけて、相手キーパーを慌てさせてキックを誘う。そして、ハーフウェイライン付近でインターセプト。すかさずFWエヴァン・ファーガソン(18)へ縦パスを入れ、落としを拾ったMFソリー・マーチ(28)がゴール前中央でボールをキープし、右サイドへ侵入していったボランチのパスカル・グロス(31)へパスを送った。
 この間、三笘のマーク役だった右サイドバック、ベン・ジョンソン(23)は完全にボールウォッチャーになっていた。そして、ジョンソンが見せた隙を見逃さずにペナルティーエリア内へ侵入。その背後を突き、グロスが放ったクロスに真っ先に反応したのが三笘だった。
 リーグ戦で3試合ぶりに決めた今シーズン6ゴール目とともに、日本代表のレジェンドたちに肩を並べた。2012-13シーズンの香川(当時マンチェスター・ユナイテッド)、2017-18シーズンに岡崎(当時レスター・シティ)がマークした、プレミアリーグでの日本人シーズン最多得点記録をマークするまでには産みの苦しみを味わった。

 

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