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新天地のドイツで急成長を遂げたシュツットガルトのDF伊藤洋輝(23)が森保ジャパンに初招集された(写真・ロイター/アフロ)
新天地のドイツで急成長を遂げたシュツットガルトのDF伊藤洋輝(23)が森保ジャパンに初招集された(写真・ロイター/アフロ)

なぜ新戦力発掘に消極姿勢だった森保監督がシュツットガルトの23歳DF伊藤洋輝を初招集したのか

 

 ブラジル代表戦(6月6日、国立競技場)を含めた6月の強化試合4連戦に臨む日本代表28人が20日に日本サッカー協会から発表され、新天地ドイツで急成長を遂げたDF伊藤洋輝(23、シュツットガルト)が初招集された。11月開幕のカタールワールドカップをにらみ、新戦力発掘より現有戦力の熟成を優先させる方針を示していた森保一監督(53)は、オンライン会見で3バックを含めたオプション導入を示唆。成否のカギを左利きの大型センターバック伊藤が握っている。

「守備で屈強な相手選手を止めながら攻撃でも良さを」

 東京五輪世代でありながらU-24日本代表に居場所を築けなかった伊藤が、カタールワールドカップ開幕まで残り半年のタイミングで森保監督を振り向かせた。

 日本サッカー協会の公式YouTubeチャンネル、JFATVでもライブ配信されたオンライン会見。現有戦力の熟成を優先させる青写真を描いていた指揮官は、28人のなかでただ一人、A代表での出場歴のない伊藤を抜擢した理由をこう説明した。

「シュツットガルトでシーズンを通して、ディフェンダーのポジションで出場し続けた。守備のところで屈強な相手選手を止めながら攻撃でも彼の良さを出して、チームの攻撃の起点となる選手としても活躍していたので」

 昨年のいまごろはジュビロ磐田のボランチおよびセンターバックとして、伊藤はJ2の舞台で戦っていた。青天の霹靂といっていい転機が訪れたのは6月。ポテンシャルを見初められ、ブンデスリーガ1部のシュツットガルトへ期限付き移籍した。

 シュツットガルトは当初、4部リーグを戦うセカンドチームで伊藤をじっくり育てる方針だった。しかし、プレシーズンで見せたパフォーマンスで評価が一変。トップチームに定着したばかりか、10月からは最終ラインで先発に名を連ね続けた。

 身長188cm体重78kgのサイズを生かした屈強な対人守備と、利き足の左足を駆使した正確なビルドアップは瞬く間にブンデスリーガの目にも留まる。11月の最優秀ルーキーに選出された伊藤は、2021-22シーズンで最大の発見と称賛された。

 

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