米メディアは藤浪晋太郎の中継ぎ配置転換をどう評価したのか…「もしかしたらチームにとってプラスに作用する動きになるかも」
アスレチックスの藤浪晋太郎(28)が先発ローテーションから外れ中継ぎに配置転換されることになった。マーク・コッツェー監督が24日(日本時間25日)のエンゼルス戦前に「藤浪とも話をした。彼は明日からブルペン(中継ぎ)で準備する。まずは直球の制球を取り戻すことだ。先発ローテーに復帰できないわけではない。短期間(の中継ぎ登板の結果と内容)で評価したい」と明かしたもの。藤浪は、先発として今季4試合に登板しながら、4連敗し、22日(日本時間23日)のレンジャーズ戦では3回持たずに8失点KOされ、防御率は14.40にまで悪化していた。
米のオフ情報に詳しい「トレード・ルーマーズ」によると、中継ぎのアドリアン・マルティネスが、肘の故障で故障リスト入りしたため、ブルペンが人員不足となっており、藤浪とジャイアンツからトレードで獲得したサム・ロングの2人をロングリリーフも可能な中継ぎ陣としてブルペンに加える方針。また藤浪の代わりに先発ローテーに入るのは韓国プロ野球でプレーしていたドリュー・ルシンスキーが最有力だという。
「4億円での獲得はサイコロを転がすような契約だった」
藤浪の中継ぎへの配置転換は米メディアでも話題となった。
前出の「トレード・ルーマーズ」は、「藤浪が中継ぎへ配置転換」との見出しをとって記事にして「コッツェー監督は藤浪がいずれ先発に戻ることについての可能性を残したが、最初に短いイニングで“査定”すると言及した」と伝えた。
同メディアは「アスレチックスは藤浪を1年300万ドル(約4億円)で獲得したが、これは興味深い低コストによるサイコロを転がすような契約だった。彼は日本で優れた球速の三振を取れるストレートを持っていたが、同時に多くの四球を出しており、阪神タイガースは、1、2軍を何度も行き来させていた」と、藤浪の獲得にリスクがあったことを伝えた上で、ここまでの4試合を、こう紹介した。
「身長198センチの投手は、春季キャンプで18回2/3を投げて17四球を出したが、チームは彼を開幕ローテーに残す計画にこだわった。藤浪は4度先発したが、何ら成功を見いだせていなかった。わずか15イニングで24失点、12四球で19安打を許し、5回を投げたのは1度だけで、4度の登板ですべて負け投手となった。これはチームと、この29歳(の藤浪)が、最初の数週間に思い描いていたことではなかった」
そして中継ぎへの配置転換に関しては「藤浪のパワーがさらに効果的に発揮されるかもしれない短いイニングでのより良い結果をチームは望むことになるだろう。彼は直球の球速が平均97マイル(約156キロ)でスプリッターとスライダーで、まずまずの空振りを奪ってきたが、四球を多く与えすぎており、ヒットを多く許している」と評価した。
NBCスポーツのベイエリア局は、「藤浪が新しい役割を担うことになる。土曜日のレンジャーズ戦でわずか2回1/3の登板で7安打8失点した彼は、当分の間、中継ぎに回ることになる」と伝えた。
ここまでの現状を「藤浪は春季キャンプでコッツェー監督やアスレチックス関係者にインパクトを与え、先発ローテーの座を射止めた。しかし、事態は思い描いたようには運ばなかった。4度の先発で防御率14.40。奪った三振(12個)と同じだけの四球を出し、制球力が問題視されてきた。コッツェー監督はレンジャーズ戦後に記者たちに『速球の制球に取り組む必要がある』と言及した。藤浪は15日のメッツ戦で6回を投げ、5奪三振、4安打、3失点で問題を解決したように見られていたのだが」と紹介。
中継ぎ転向については、「チームは藤浪の中継ぎへの配置転換が投手陣とルーキー(の藤浪)の両方に恩恵をもたらすことを願っている。今チームは多くの変化が起きている最中。ファンは、もしかしたら、これ(中継ぎ転向)がチームにとってプラスに作用する動きになるかもと期待している」と前向きに捉えた。