• HOME
  • 記事
  • テニス
  • 「正義は報われた」「失格で640万円を没収され1800万円を勝ち取る」海外メディアは加藤未唯の全仏OP混合Vをどう報じたか?
海外メディアも失格処分の失意を乗り越えた加藤未唯の混合ダブルスVを大きく報じた(写真・AP/アフロ)
海外メディアも失格処分の失意を乗り越えた加藤未唯の混合ダブルスVを大きく報じた(写真・AP/アフロ)

「正義は報われた」「失格で640万円を没収され1800万円を勝ち取る」海外メディアは加藤未唯の全仏OP混合Vをどう報じたか?

 WTA(女子プロテニス協会)の公式サイトも、加藤、プッツ組の優勝を伝えた。
 同サイトは、「加藤にとって初のグランドスラムタイトルとなり、意図なく球をボールガールに当てたことで女子ダブルスで失格となっていた28歳の日本のダブルススペシャリストにとって、いろんな感情に支配された一週間を締めくくることになった。加藤はプッツと共に優勝に向けた快進撃の中で圧倒的なプレーを見せた。このペアは、決勝戦まで1セットも失っていなかった」と報じた上で、加藤の優勝スピーチの一部をこう紹介した。
「私にとってとても厳しい数日間でした。心温まるメッセージとサポートをくれた選手、コーチ、すべての皆さんに感謝したい」

 欧州の放送局ユーロスポーツは、「加藤が女子ダブルスの失格の後、混合ダブルスで感動的なタイトル獲得―“喜びの涙!”」との見出しを取り、「女子ダブルスで論議を呼ぶ失格処分を受けた加藤がプッツとともに混合ダブルスのタイトルを勝ち取り、木曜日の全仏オープンに感動的な場面をもたらした」と報じた。
 同メディアは、「心が傷ついた感情的な失格処分を受けた加藤は、プッツとともに木曜日の午後に歓喜を見せた。この数日間のパリでの経験を通じ、この瞬間が、どれほど加藤にとって特別なものだったのかを、コート・フィリップ・シャトリエのすべての人々が瞬時に感じた」と会場の雰囲気をリポート。
 ユーロスポーツの評論家でアンディ・マレーのコーチを務めたことのあるマイルズ・マクラガン氏の「なんというパリでの日々だったのだろう」というコメントと、同じく評論家ニック・レスター氏の「打ちのめされての涙もありましたよね。そして今、いくらかは喜びの涙になったかもしれません。数日前の出来事の後で女子ダブルスから退場させられた彼女は、今、ここで少しばかり正義が報われたと感じているかもしれません」という声を紹介した。

 英インディペンデント紙も「ボールガールに球を当てて失格となった全仏オープンの選手が混合ダブルスで優勝」との見出しを取り「相手コートに向けてボールを打った際の球が意図なくボールガールに当たったことで失格となった日本選手(の加藤)にとって激動の1週間を締めくくることになった」と伝えた。    
 同紙は、「ボールガールが泣き始めて加藤は失格となり女子ダブルスで勝ち進んで得ていた賞金とポイントをはく奪された。だが、28歳は木曜日に混合ダブルスのタイトルを勝つことで、それらを取り戻した。大会を制しプッツと共にペアで賞金12万2000ユーロ(約1800万円)を勝ち取った」と紹介。
 さらに加藤が用意した優勝スピーチの中で「女子ダブルスからの『不当な』失格処分を提訴し、賞金とポイントが戻ってくるように希望する」と語ったことを伝えた。
 激動の数日間を乗り越えて優勝をつかんだ加藤のストーリーは海外メディアにも大きなインパクトを与えたようだった。

関連記事一覧