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引退を発表した車いすテニスの国枝慎吾は数々の偉業を成し遂げたが、東京パラリンピックでも金メダルを獲得している(写真:青木紘二/アフロスポーツ)
引退を発表した車いすテニスの国枝慎吾は数々の偉業を成し遂げたが、東京パラリンピックでも金メダルを獲得している(写真:青木紘二/アフロスポーツ)

世界が車いすテニス界“レジェンド”国枝慎吾の引退を惜しみ功績称える…「ジョコビッチの世界1位の在位期間を超えた偉人」

 車いすテニスの4大大会で通算50勝(男子シングルス28勝、男子ダブルス22勝)、パラリンピックでは北京、ロンドン、東京の3大会で金メダルを獲得している現世界ランキング1位の国枝慎吾(38、ユニクロ)が22日、現役を引退することをSNSにて発表した。車いすテニス界の“レジェンド”の引退を海外メディアも、速報ニュースで大きく取り扱い、その功績を称えて38歳で世界1位のままでコートを去ることを惜しんだ。

国枝の後継者は現在世3位の16歳の小田凱人

 

 車いすテニス界の“レジェンド”の突然の引退宣言は世界へ衝撃を与えた。この日、国枝は自身のSNSに日本語と英語の文章を掲載して引退を表明。その経緯と感謝の気持ちを伝えた。
「夢が叶った」2021年の東京パラリンピックの金メダル獲得後から引退を考えだし、昨年念願のウィンブルドンタイトルを獲得してから「ツアーで戦うエネルギーが残り僅かである事を感じる日々」となり、昨年10回目の年間王者となった時点で「もう十分やりきったという感情が高まり(引退を)決意した」という。
 国枝は「2006年に初めて世界一位になってから17年。最後まで世界一位のままでの引退は、カッコつけすぎと言われるかもしれませんが、許してください(笑)」(原文ママ)と綴った。
 国枝はスポンサー各位やスタッフ、関係者「長年ともに戦ってきたライバルであり、友人でもある選手たち」、そしてファンに感謝の意を伝えた。2月7日に改めて引退会見が行われ詳しく思いを伝えるという。
 全豪オープンの公式ツイッターは、その功績を称える拍手の絵文字で挟み「スーパーキャリア」とし「国枝慎吾の4大大会通算 50(勝) は、男子の試合で他の追随を許しません。 達成されたことすべてにお祝いを申し上げます」とツイート。
 女子テニスの4大大会シングルスで12度の優勝を誇る“レジェンド”ビリー・ジーン・キング氏(79)もツイッターで「20年のキャリアを経て今日引退を発表した国枝慎吾、ありがとう。彼は男子の車いすテニス選手で初めて生涯グランドスラムを達成して、ウィンブルドンでの2022年のシングルス優勝は、彼の50個目のメジャータイトルでした。人生の旅はまだ続きます」と綴った。
 海外メディアは通信社の記事を引用する形で大々的に国枝の引退を伝えたが、独自記事で記事化する媒体も少なくなかった。
 英「BBC」は「車いすテニスのレジェンドが引退を発表」との見出しを取り、「歴代最高の成功を収めた国枝が引退を発表した。日本選手で38歳の国枝はシングルスとダブルスで50の4大大会タイトル、4つのパラリンピック金メダルを勝ち取った。彼は昨年全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドンでシングルスに優勝して、世界ランキングでトップの選手として引退する」と伝えた。
 記事は「脊髄腫瘍と診断されてから2年後の11歳で初めてテニスラケットを手にしてから、国枝はこのスポーツ界において真の偉人の1人になる道を探求してきた。キャリア通算でシングルス優勝117度、ダブルス優勝83度に合わせ、驚きの582週にわたって車いすテニスの男子シングルスで世界ランキング1位であり続けた。ちなみにノバク・ジョコビッチが世界トップに立ったのは通算373週だった。肘の手術後に彼は復帰し、2021年の東京パラリンピックの開会式で選手宣誓を果たした後、地元でのパラリンピックで感情をあらわにして3度目のパラリンピック・シングルスの金メダルを勝ち取った」と続け、ノバク・ジョコビッチ(35、セルビア)の世界1位の在位期間と比較して、国枝の偉業の凄さを報じた。
 さらに国枝が日本の車いすテニス界に残した功績についても触れ、「国枝は日本の車いすテニス界を確固たる地位へと押し上げた。現在、世界ランキングの上位12人の中に日本人選手が4人いる。最も(未来が)明るいスター選手は間違いなく、現在世界3位の16歳の小田凱人だ。彼はすぐにでも世界1位になることで彼の良き師の後を継ぐと見られる」と続けた。

 

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