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JFAは浦和レッズの一部サポーターが暴徒化した問題に関して来年度の天皇杯参加資格をはく奪したを発表した(イメージ写真・西村尚己/アフロスポーツ※違反行為をした際の写真ではありません)
JFAは浦和レッズの一部サポーターが暴徒化した問題に関して来年度の天皇杯参加資格をはく奪したを発表した(イメージ写真・西村尚己/アフロスポーツ※違反行為をした際の写真ではありません)

一部サポ暴徒化問題で天皇杯参加資格はく奪の厳罰を受けた浦和が再発防止策と声明発表も中途半端な内容に疑問の声

 暴力行為などに及んだサポーター、そして管理責任のある浦和への処分が科されたなかで、今後は信頼を取り戻していく上で浦和の覚悟が問われてくる。
 浦和も19日夜に、公式HP上で「浦和レッズサポーターによる違反行為について(第四報)」と、田口誠代表取締役社長による声明を同時に発表した。
 前者では今後へ向けた最重要課題と位置づける再発防止施策として(1)違反行為に対する新たな処分基準の策定(2)処分および処分解除決定の運用プロセスの見直し(3)ファン・サポーターのみなさまや外部アドバイザーからなる第三者委員会の立ち上げ(4)違反行為者への適時適切且つ毅然とした対応(5)「スタジアムでの禁止事項等観戦ルール」の周知徹底(6)ファン・サポーターのみなさまとのコミュニケーションの再構築――の6点があげられた。
 特に大きなウエートを占める(1)と(2)に関しては10月までに策定すると記され、内容への具体的な言及はなかった。加えて、すべての施策において「客観性、公平性、継続実現性の担保や法的根拠など様々な角度から検証し、外部有識者の知見もお借りながら取り組んでまいります」と、第2、第3報のリリースと同じ補足がつけられた。
 さらに「ファン・サポーターのみなさまへ」と題された田口社長の声明では、今回のサポーターを念頭に置いたと思われる、一歩踏み込んだ表現も見られる。
「私ども浦和レッズは強くて魅力あるチーム作りに邁進し(中略)勝利のために全身全霊を捧げるという方針にいささかの迷いもございませんが、仮に『勝利のため』という理由が伴っていたとしても、社会正義に反する行為を肯定することは絶対にありません。そして、『勝利のため』という理由で社会正義に反する行為を行う人を、サポーターとは認めません」
 天皇杯の優勝チームには、翌シーズンのACL出場権が与えられる。浦和の場合、2021シーズンの天皇杯王者として昨シーズンのACLに臨み、3度目のアジア制覇を達成。今年12月にサウジアラビアで開催される、FIFAクラブW杯へアジア王者として出場する。一転して来シーズンは天皇杯からアジア、世界へつながる道がなくなった。
 田口社長がサポーターと認めないと断言した17人による愚行が、結果としてクラブが目指す目標のひとつを奪い取った。JFA規律委員会は浦和に管理責任を求めたが、浦和もまた17人にさらに厳しい措置で臨む姿勢も必要なのではないだろうか。

 

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