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後半から出場した久保建英。“オレが蹴る”と志願したPKを監督に却下された(資料写真:なかしまだいすけ/アフロ)
後半から出場した久保建英。“オレが蹴る”と志願したPKを監督に却下された(資料写真:なかしまだいすけ/アフロ)

ベンチ前が騒然?!なぜ久保建英は志願したPKをレアル・ソシエダの監督に却下されたのか…CKからのゴール演出で3試合ぶり白星も地元紙は「4」と辛口採点

「あの場面ではリスクが大きすぎた。どのような状況でも自陣からパスをつなぐスタイルに縛られ過ぎたゆえの弊害と言っていい。レミロは久保へのパスを選択し、必要な緊張感を持っていなかった日本人選手はコントロールすべき状況でボールを失った」
 10シーズンぶりに臨んでいるチャンピオンズリーグで、20シーズンぶり2度目となる決勝トーナメント進出を決めたベンフィカ戦から中2日。アルグアシル監督は先発陣を入れ替えて、敵地パワーホース・スタジアムでのアルメリア戦に臨んだ。
 メンデスだけでなく、センターバックのイゴール・スベルディア(26)も出場停止で不在の一戦。指揮官は過密日程を考慮して、ベンフィカ戦で先発フル出場したMFミケル・メリノ(27)、後半25分までプレーした久保をベンチスタートとした。
 しかし、前半をスコアレスで折り返す。たまらずに後半開始からメリノと久保が投入される展開を、前出の『MARCA』はこう報じている。
「これまでの戦いで消耗していたメリノと久保は、前半をベンチで見守っていた。しかし、いつものメンバーとは異なる陣容で臨んだ前半の結果は散々だった。代表ウイークで中断する前にほしかった勝ち点3は手にしたものの、内容的にはまったく物足りなかった」
 チーム全体が低調だったなかで投入された久保も、なかなかボールが回ってこない状況で、違いを生み出したとは言い難かった。地元メディアの『EL DESMARQUE』も、久保に10点満点中で「4点」と厳しい評価をつけざるをえなかった。
「日本人選手は、あまり積極的には映らず、普段とはかけ離れたレベルを示し続けた。アルメリアに同点とされた場面ではミスも犯している」
 それでも久保ばダメ押しゴールを導いた。
 10分が表示された後半アディショナルタイムの95分。再び獲得した左CKを、ニアサイドのDFアリツ・エルストンド(29)の頭に正確に合わせる。エルストンドがフリックし、ファーサイドへ軌道を変えたボールに、以心伝心でMFマルティン・スビメンディ(24)が飛び込んでくる。ノーマークから放たれたヘディング弾が勝負を決めた。
 苦戦の末に手にしたラ・リーガで3試合ぶりとなる白星。アルグアシル監督は「アルメリアは素晴らしい仕事をした。しかし、勝利に値するとすれば、それは間違いなく私たちだったと思う」とスペインメディアに語っている。
 もちろん事前の約束ごとに反して、PKキッカーを志願して指揮官から却下された久保も咎められない。むしろチームを勝利に導くための責任感や、あるいは主軸を担っている自覚が凝縮された行為として、ポジティブに受け止められるはずだ。
 久保はモードをソシエダから日本代表にスイッチ。いよいよ幕を開けるW杯アジア2次予選のミャンマー代表戦(16日、パナソニックスタジアム吹田)、シリア代表戦(21日、サウジアラビア)へ臨むために帰国し、日本代表チームに合流する。

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