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フランス代表が元スペイン首相から「代表にフランス人がいない」と差別的発言を受ける(写真・ロイター/アフロ)
フランス代表が元スペイン首相から「代表にフランス人がいない」と差別的発言を受ける(写真・ロイター/アフロ)

「嫌悪感を抱かせる差別発言だ!」準決勝を前に元スペイン首相の「(代表に)フランス人選手は一人もいない」発言に批判殺到…駐スペイン仏大使館は「26人中23人はフランス生まれだ」と声明

  サッカーのW杯北中米大会のフランスとスぺインの準決勝を前に元スペイン首相のマリアーノ・ラホイ氏(71)が同国のニュースサイトに寄稿したコラムで「(代表に)フランス人選手が一人もいない」と表現した問題が波紋を広げている。フランスサッカー連盟やフランスの政治家だけでなく、スペイン首相、スペイン代表選手らからも「嫌悪感を抱かせる差別発言だ」との非難が殺到。駐スペインフランス大使館や、フランスメディアは「26人中23人がフランス生まれ」でラホイ氏の発言が事実と異なることを明かした。スペインとフランスの準決勝は14日(日本時間15日、午前4時)に行われる。

 現職のスペイン首相も「外国人排斥的な発言」と批判

 フランス対スペインのW杯優勝経験のあるチーム同士の激突を前に酷い騒動が起きた。2011年から2018年までスペインの首相を務めたラホイ氏が同国のニュースサイト「エル・デバテ」に寄稿したコラムでフランスが過去にW杯を2度制し、前大会ではアルゼンチンと決勝を戦い準優勝、今大会は全試合に勝利し、FIFAランキング1位であることを説明した上で、SNSで大炎上した一文を書き添えた。
「非常に優れた選手層を擁している。しかし(代表に)フランス人選手は一人もいない。恐るべき相手になるだろう」
 この差別的発言は全世界に波紋を広げた。フランスサッカー連盟の会長であるフィリップ・ディアロ氏もXで、こう非難した。「これらの発言には耐え難い人種差別の臭いが漂っており、このような醜悪な言説を生み出す嫌悪すべき風潮を問い直さなければならない」
さらに「我々の選手たちは、元スペイン首相から国籍証明書を受け取る必要などまったくない。フランス代表はフランスの代表である」と書き込んだ。
 実際、ラホイ氏の発言は甚だしい事実誤認だった。
 駐スペイン・フランス大使館は「26人の代表選手のうち23人はフランス生まれであり、海外生まれの3人もれっきとしたフランス人である」との公式見解を明かした。
 フランスメディア「ユーロスポーツ」によると、ディディエ・デシャン監督が選出した26人の代表選手のうち、フランス国外で生まれたのは、マイケル・オリーセ(ロンドン生まれ。父はナイジェリア人、母はフランス系アルジェリア人)、マルクス・テュラム(父リリアン・テュラムがイタリアでプレーしていた当時、パルマで生まれる)、 ブリス・サンバ(コンゴ共和国生まれ)の3人だけ。しかも3人ともフランス国籍を持ち、その大半をフランスの育成システムのもとで成長してきた。
 ラホイ氏の発言はフランス政界に衝撃を与えた。
 内務大臣のローラン・ヌニェス氏はBFMテレビで「容認できない発言だ」と反応、社会党第一書記のオリヴィエ・フォール氏はXで「フランス代表はフランス人だけで構成されている。フランスは民族国家ではない。肌の色や宗教で定義される国でもない。共和国の理念によって結ばれた政治共同体なのだ。人種差別的右派が何と言おうと変わらない」と批判。
 海外領土担当相のナイマ・ムッチュ氏も、こう非難し、フランスサッカー連盟に法的措置を取るように勧めた。
「フランス代表が勝つたびに、同じ人種差別的な執着や侮辱が繰り返される。これは『失言』ではない。フランスという国、そしてその本質に対する、組織的で常態化した憎悪だ」
 政府報道官のモード・ブレジョン氏もRTLラジオでこの発言について「この発言は忌まわしいものです。そして、フランスの歴史、フランスという国、さらには自国代表に対するフランス国民の誇りについて、著しい無知を示しています」とコメントした。

 

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