• HOME
  • 記事
  • 野球
  • 「ウチの球団でも獲得に手を出すのは難しい」楽天を“パワハラ退団”となった安楽智大に他球団での再起の道はあるのか?
パワハラ問題で楽天を自由契約となった安楽智大(写真・黒田史夫)
パワハラ問題で楽天を自由契約となった安楽智大(写真・黒田史夫)

「ウチの球団でも獲得に手を出すのは難しい」楽天を“パワハラ退団”となった安楽智大に他球団での再起の道はあるのか?

 橋上氏が、監督を務めるオイシックス新潟アルビレックスは、来季からのイースタン・リーグへの新規参入に向けて、元広島の薮田和樹、元横浜DeNAの三上朋也を獲得するなど、積極的にNPBの他球団から声がかからなかった戦力外選手を集めているが、「うちとしては今の段階では手を出しにくい」と明言した。
「まだ若い選手の再起の道は決して閉ざされるべきではないが、まだパワハラの実態がすべて明らかになったわけでもなく、獲得した後に、まだ違う問題が出てきたりしたら、フォローが難しくなる。球団としてのイメージ、ファン、スポンサーからの反感もあるだろう。おそらく選手を集めているうちでさえそうなのだから、NPBの他球団も同じ判断を下すと思う。安楽が防御率1点台の絶対的なセットアッパーであれば、中田翔のケースのように問題には目をつぶって再起のチャンスを与える球団が出てくるかもしれないが、そこまでの戦力ではないからなおさら来季のプレーは難しいだろう。どこも来年2月のキャンプが終わるまで様子見をするという段階ではないだろうか」
 ただ橋上氏は独立リーグや海外ではチャンスがあるのではないかと指摘した。
「独立リーグや海外であれば、手を差し伸べてくれるチームがあるかもしれない。BCリーグ福島の監督であり、球団オーナーでもある岩村は、宇和島東高校出身だが、済美高で安楽が指導を受けた故・上甲正典監督の教え子。楽天は、練習場所の提供などを示唆しているが、安楽が本当に困った場合には、彼が救いの手を差し伸べるのではないか。独立リーグで状態をキープすると同時に社会貢献活動などをして、心を入れ替え反省している姿をしっかりと見せれば、再来年や、それこそ来年のシーズン途中のNPB復帰する可能性につながるかも」
 BCリーグに所属している福島レッドホープスは、ヤクルト、レイズ、パイレーツ、アスレチックス、楽天でプレーした岩村明憲氏が、代表取締役社長兼監督で決定権を持つ。橋上氏が指摘するように母校は違えど上甲監督の教えを受けた後輩にあたる。岩村氏は楽天でもプレーした経験がありつながりもある。またチームには、同じく済美高の先輩で広島、楽天でプレーした福井優也も現役で投げている。最後の最後には救済の手を差し伸べてくれる可能性はあるのかもしれない。同チームからは今回のドラフトで大泉周也がソフトバンクから育成ドラフト1位で指名されており、スカウトのチェックも入るため、NPB復帰へのステップにもなるだろう。いずれにしろ、人の心を傷つけてしまったのだから、まずは、安楽自身が犯した事の重大さをどう受け止めるかが最重要。すべてはそこからのスタートになる。
(文責・RONSPO編集部)

関連記事一覧