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日本バンタム級タイトルマッチで王者の堤聖也(右)に挑み激闘を演じた穴口一輝(左)が試合後に意識不明の重体となった(写真・山口裕朗)
日本バンタム級タイトルマッチで王者の堤聖也(右)に挑み激闘を演じた穴口一輝(左)が試合後に意識不明の重体となった(写真・山口裕朗)

井上尚弥、拓真、対戦相手のトレーナーら“仲間たち”が開頭手術を受けて意識の戻らぬ穴口一輝の回復を願い“エール”…過去には“浪速のロッキー”赤井英和氏が社会復帰した例も

大阪の岸和田市出身の穴口は、6歳からボクシングを始めて小、中で全国大会のタイトルを総なめにし、芦屋学園高時代には高校2冠、そのまま芦屋大へ進み、東京五輪を目指していたが、選考会を兼ねた全日本選手権で敗れて一時、ボクシングから離れた。出稽古で何度か真正ジムに来ていた穴口の才能を買っていた山下正人会長がスカウトし、76戦68勝8敗のアマ戦績を持って2021年7月にプロデビュー。無傷の4連勝で今回のモンスタートーナメント参戦を表明した。
 その際、自身の公式Xに「出場選手の中で1番知名度も低いし1番ランキングも下やけど、1番強い事を証明して来ます! 必ず優勝して優勝賞金1000万貰ってきます」と投稿していた。
 5月の1回戦で内構拳斗(横浜光)に判定勝利。8月の準決勝でも梅津奨利(三谷大和)に判定勝利して決勝進出を決めていた。同学年の妻との間に昨年5月に一粒種の長女を授かり、優勝賞金での家族旅行に行くことを目標にしていたが、決勝を前にXに「1000万の事も考えられへんぐらいとにかくこの試合を勝つためだけに8月勝ってからやってきた. 今は1000万なんて本当にどうでもいい。 とにかくベルトが欲しい」とポストしていた。
 過去には、“浪花のロッキー”こと赤井英和氏も、大和田正春との試合後に意識を失い、病院で開頭手術を受け、一時は命も危ぶまれたが、奇跡の復帰を果たした。JBCルールにより引退となったが、社会生活に支障がない状態に戻り、その後、俳優として活躍、母校の近大のコーチを務めるまでになった。
 また日本ミニマム級のランカーだった矢代家康氏も、意識不明となり、4度の手術を受けたが、奇跡的に回復して大学職員として社会復帰している。
 穴口はJBCルールにより、引退となる見込みが、堤とのファイトで最後まであきらめずにモンスターにさえ感動を与えたガッツで、もう一度、立ち上がって欲しい。(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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