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練習拠点のチェコ・ドマジュリツェで金メダル祝福セレモニーで出迎えられた北口(右)とセケラックコーチ(左)(写真:CTK Photobank/アフロ)
練習拠点のチェコ・ドマジュリツェで金メダル祝福セレモニーで出迎えられた北口(右)とセケラックコーチ(左)(写真:CTK Photobank/アフロ)

「チェコで学んだのはビールと勝つこと」パリ五輪金メダル北口榛花が“第二の故郷”での祝福セレモニーで“味のある”スピーチ…専属コーチは「足りないのは世界記録」と厳命

 パリ五輪の陸上女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花(26、JAL)が12日、2019年から練習拠点としているチェコのドマジュリツェに凱旋して街のメイン広場で行われた祝福セレモニーで約200人の歓迎を受けた。チェコメディア「Ceske Noviny」によると北口は「チェコで学んだのはビールと勝つこと」とスピーチ。師事するダビッド・セケラックコーチ(49)は「足りないのは世界記録」と次なる目標を厳命した。北口はまだ日本には帰国せず、欧州でのダイヤモンドリーグファイナルなど3試合に出場する予定だ。

 

 パリ五輪金メダリストの北口は、第二の故郷とも言えるチェコで地元の人々からの祝福を受けた。まだ欧州で3試合ダイヤモンドリーグファイナルなどの大会に出場予定の北口は、日本には帰国せず、先に2019年から練習拠点としているチェコに戻った。北口がトレーニングしている場所は、国境近くにある人口約1万1000人の小さな街ドマジュリツェ。チェコメディア「Ceske Noviny」が詳細に報じた記事によると、街のメイン広場に約200人の市民が集まり、民族衣装を着たバグパイプバンドが音楽を奏でて、北口の金メダルを祝福する「ささやかな非公式のセレモニー」(同メディア)が行われた。
 北口が2019年からこの地で指導を受けているセケラックコーチ、同じチームでトレーニングをしているパリ五輪の女子やり投げのチェコ代表で14位だった21歳のペトラ・シチェコヴァもステージの壇上に上がって挨拶を行ったという。
 同メディアが「忙しいパリのプログラムと帰国の旅で目に見えて疲れていた」と表現した北口らは、スタニスラフ・アントシュ市長から花束とサンローランビールも受けとった。
 このビールは、先週末に街で行われた「チョドスコフェスティバル」のために特別に地元の醸造所で醸造されたクラフトビール。1年に一度行われる、このお祭りはドマジュリツェで最大のイベントで、市長は「五輪があるのにお祭りに参加しろと言うのは無理な話ですが、彼女たちは金メダルと素晴らしい順位を持ち帰ってくれました」と祝福。北口は、「楽しい時間をありがとうございます。お祭りに参加できず残念ですが、金メダルを取れてよかったです。ありがとうございました」と、同メディア曰く「カタコト」のチェコ語で、スピーチして大きな拍手を受けたという。
 先日、チェコスロバキアで留学、トレーニングをしていてチェコ語に精通しているパリ五輪のカヌー代表でスラロームの男子カナディアンシングルで準決勝まで進出した“ハネタク”こと羽根田卓也が自身のXで北口のチェコ語について「発音がネイティブ過ぎて、途中の英語すらがチェコ人なまりの英語になっています(笑)」と評したが、地元メディアからすれば、まだ「カタコト」らしい。
 またビールをプレゼントされたため、北口は「チェコのビールが好きです」と礼を述べ、ビールは日本でも醸造されていることを紹介した上で、「ビールを飲み始めたのはチェコ共和国に来てから。それまではあまり飲んでいなかった。とても若かったので」とのエピソードを明かした。
 そして「チェコではビールを飲むだけでなく勝つことも学びました」と、うまくまとめて、歓迎してくれた街の人々の心をつかんだ。
 北口は、チェコの名物料理の中では、マーブルケーキやサーロインステーキが好物。先週のお祭りでは、豪華なチョドコケーキがふるまわれたそうだが、ダイヤモンドリーグファイナルが控えているため、ケセラックコーチは、食事制限を指示しており、好き勝手に食べることを許していないという。
 その話を聞き、市長は「万が一に備えて、まだ冷凍庫にチョドスコケーキがあります」とユーモアを交えて話した。

 

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