「監督が腕組みしているだけじゃ勝てない」中日がソフトバンクの大津亮介にあわや完全試合の1安打“赤っ恥”完封負け…球界大御所が喝!
広岡氏は開幕前に中日を阪神を追いかけるダークホースに指名していた。その安定した投手力と、新外国人のサノーが加わった打線のレベルアップに期待したものだ。その新外国人に加え、岡林、上林といった主力が故障で戦列を離れる不運があったとはいえ、7点差をひっくり返されて敗れた5月20日の阪神戦に象徴されるようなあまりにもふがいない戦いに「信じられないような試合ばかりだ。失望したよ」という。
大津は、これでハーラートップの6勝に並び、防御率も西武の高橋光成を抜いて1.14でトップに躍り出た。相手が現時点でパ・リーグナンバーワンの右腕だっただけに、先発のマラーも、失点を許さず守りでプレッシャーをかけるべきだったがそれもできなかった。
バッテリーの無策をさらけだしたのが0-1で迎えた5回だ。一死二、三塁のピンチにキーマンの近藤を見逃しの三振に仕留めて、二死までこぎつけた。しかし、3回にも二死一、三塁からライト線に先制タイムリーを許している4番の栗原に対して初球に甘いスライダーを投じて左中間フェンスまで運ばれた。2点を追加されるタイムリー三塁打。栗原は、乗りに乗っているパ・リーグの本塁打と打点の2冠王。しかも、ファーストストライクからガンガン振ってくるタイプだ。ソフトバンク打線はマラーが左打者のインコースを攻めきれないことを見越して左打者を7人打線に並べていた。
一塁が空いていることもあって井上監督は、申告敬遠からの満塁策も考えたというが、あまりにも不用意な1球が明暗をわけた。
「そう簡単に(初球を)入る場面じゃないでしょう。勝負球を打ってくれたらラッキーぐらいな配球をもう少しできなかったか」とも嘆いた。
だが、その考え方を事前にバッテリーに徹底することができていなかったベンチワークの責任は免れない。
交流戦前に“休養デッドライン”と見られていた30敗に達したが、球団フロントは、井上監督の途中休養がないことを明言し、現体制のまま奮起をバックアップする方針を示した。
そのフロントの姿勢が功を奏したのか、交流戦のスタートでパ・リーグ最下位の楽天に3連勝、次のオリックス戦の初戦も勝ち、連勝を4に伸ばした。だが、そこから3連敗。その間、エースの高橋宏斗が無期限の2軍調整を命じられるなど、反撃態勢が再びぐらつき、交流戦での貯金も風前の灯となってしまった。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

