「亀田さんは嫌われているけど…」V2成功の矢吹正道に名指しされた亀田興毅氏のアンサーは?IBF新王者モロニーが「戦いたい」と対戦名乗り…その先に拳四朗、坪井智也とのビッグマッチ構想
亀田興毅氏とは頻繁に連絡を取り合っていた。
開催のために「自分のファイトマネーもいらない」とまで申し出た。亀田氏は「そういう言位方はなかった」と明かした上で持論を語った。
「ファイトマネーがいらないとなるとボクシングじゃない。それはさすがに違う。世界チャンプのファイトマネーの相場は決まっている。そこはプロモーターとしてやりきらないとダメだと思っていた」
それが元3階級制覇王者の矜持だろう。
また「亀田さんのことを嫌いな人が…」の矢吹発言をどう受け止めたかと聞くと、こう返した。
「昔は否定的な感じの亀田のイメージがあった。僕自身もまだまだ幼さがあって業界内に受け入れない人も数多くいる。2021年の立ち上げから5年が経って実績を作って(亀田もいいところもある)の声も少しずつ増えているのを僕も感じる。素直に嬉しく思う。改めてこういうことがあって開催ができた。僕自身この期間で3年分くらいの人生経験を積んだ。地に足をつけて一歩一歩ボクシングに向き合っていきたい」
自らがサイバーエージェントの藤田晋会長に泣きつき、ABEMAの支援をとりつけて開催にこぎつけたことで失墜した信頼を少しは取り戻した。だが、評価されるのは再スタートを切った今後の活動だろう。
その最大のテーマが矢吹のビッグマッチのサポートとなる。
試合後、IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチで、1ラウンドから12ラウンドまで、ヒット&ウェイのボクシングを徹底して、アッパーと大きなフックをブンブン振り回して前へくる王者のガルシアを2-0判定で振り切って新王者となったモロニーが矢吹の控室にきてツーショット写真に納まった。
モロニーは「バムとやりたいが、おそらくもうスーパーフライ級ではやらないのだろう。バム以外なら矢吹と対戦したい」と、3階級制覇を目論む矢吹との対戦を熱望した。
モロニーは武居由樹(大橋)や那須川天心(帝拳)と対戦した元WBO世界バンタム級王者、ジェイソン・モロニーの弟で、3年前にはWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で、中谷潤人(M.T)と対戦し、最終ラウンドに倒されている。
亀田プロモーションが、わざわざ31万5000ドル(約5000万円)もかけて、この試合を入札で落とした理由は、矢吹の3階級制覇への挑戦を見越してのもの。控室のモニターでこの試合を「ちょろっと見た」という矢吹は、そのラブコールへのアンサーは返さず「ベルトというよりチャンピオンとやりたい」とだけ語った。
前日会見では「多団体でも上の階級でも、チャンスがあればどこでもやる」とも語っていた。多団体とはフライ級の統一戦。ターゲットとしているのはWBO世界同級王者のアンソニー・オラスクアガ(米国)だ。ただオラスクアガは、帝拳のプロモート選手で、Amazonプライムビデオ、U-NEXTが、帝拳とつながりの深い配信局で、今回ABEMAの支援を受けた3150FIGHTから離れなければ実現は難しい。
亀田氏も「色んな選択肢がある。誰とやってもいい試合になる。ファンからはオラスクアガ戦が見たいという声が多いがプラットフォームの壁もある。でもどこでやるのかを決めるのは本人の意思。ボクシング界はひとつなんで選手ファーストでやればいい」との意向を示した。
とばいえ、現実路線としては、亀田氏が絵を描いたモロニーとの対戦で3階級制覇を狙うのが濃厚だろう。
しかもスーパーフライ級に戦いの場を移すと、その先にさらなるビッグマッチの可能性が広がる。
緑ジムの松尾会長も「3階級制覇に成功すれば、さらに拳四朗選手、坪井選手らとの統一戦という大きな試合につながっていく可能性がある。今の矢吹なら2人に負けませんよ」と明言した。
寺地拳四朗(BNB)とはライトフライ級時代に2021年、2022年と2度対戦。10ラウンドTKO勝利でWBCのベルトを奪取するもダイレクトリマッチで3ラウンドKO負けしてベルトを失っている。その拳四朗も、6月13日にWBA世界バンタム級王者のアントニオ・バルガス(米国)に挑む3団体統一王者のジェシー“バム”ロドリゲス(米国)が返上した後のタイトルに照準を絞っている。矢吹にとってスーパーフライ級での統一戦でリベンジできれば最高のシナリオだろう。
またアマの世界選手権金メダリストで無敗の超ホープ、坪井智也(帝拳)は、現在WBC、WBOで1位,WBAで2位にランキングされている。バムが返上すれば真っ先に王座決定戦のチャンスが巡ってくる。 矢吹vs坪井の統一戦もファン注目のカードになるだろう。
KO決着はできなかったものの2階級制覇王者の矢吹が世界の軽量級のど真ん中を突っ走っていくことは間違いない。

