「真夜中の電話が怖い」拳四朗は“階級の壁”を乗り越え3階級制覇を果たせるのか…「2回続けて負けられない。絶対に勝つ」
プロボクシングのトリプル世界戦(20日・両国)の前日計量が19日、東京ドームホテルで行われ、出場全選手が一発でパスした。セミファイナルでは元2階級制覇王者で同級3位の寺地拳四朗(34、BMB)がWBO世界スーパーフライ級王座決定戦で同級2位で5度目の世界戦となる同級4位のイスラエル・ゴンザレス(29、メキシコ)と対戦する。3階級制覇をかけた世界戦だ。
勝負メシは自分で仕込んだ鮭の西京焼き
ニコニコ笑顔がトレードマークの拳四朗がフェイスオフで真剣な目をしてゴンサレスを睨んだ。
「目じゃなく鼻を見てたんですよ」
そうらしい。
ライトフライ、フライ級時代のゲッソリ感はない。3階級目となるスーパーフライ級では減量苦からは解放された。絶食を続けたわけでもないので、リカバリーにおかゆも食べない。勝負メシは自宅で前夜仕込んできた鮭の西京焼き。
「年齢もあるんで肉より魚が多いっすね。自分の中で鮭がブームなんですよ。白みそ、みりん、砂糖で漬ける。簡単ですよ。最近買ったノンフライヤー(油を使わない調理器具)で焼いて見ようかな」
恒例の自炊がリラックスにもつながる。
だがまだゴングを聞くまで安心はできない。
傷ついたトラウマがある。
昨年末のサウジアラビア。IBF世界同級王者のウィリバルド・ガルシア(メキシコ)との世界戦の前日計量を終えた真夜中に電話が入り、王者が計量後に体調を崩して病院へ行き、ドクターストップがかかり世界戦が中止となったことを告げられた。加藤トレーナーが電話でホテルのロビーに呼び出した話を思い起こさせると、「祈っておきます。マジでそれあるかもしれませんからね」と苦笑いを浮かべた。
前日会見では「流れた試合の悔しさをパワーの変えたい」という話をしていた。
34歳にしての3階級制覇へのチャレンジ。
危機感はあるのか?
そう聞くと「それはある」と否定せず「ここを勝って次につなげないと」と続けた。会見では「個人的には最終章に近いかなと思っている」とも口にしていた。
「(世界戦前の)心境は変わってきている。2回連続で負けられない。絶対に勝ちます」
その覚悟がある。
拳四朗のとって昨年7月にリカルド・サンドバル(米国)に1-2の僅差判定負けして以来の再起戦でもある。
対戦相手のゴンサレスは4度の世界戦を含む40戦のキャリアを誇るツワモノだ。
IBF世界同級王者のヘルウィン・アンカハス(フィリピン)、WBA世界同級王者のカリド・ヤファイ(英)、同ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)、WBC同級王者、ジェシー“バム”ロドリゲス(米国)という名だたる王者と戦い、しかも、ロマゴン、バムとは判定までもつれこんだタフさがある。
「ロマゴン、バムとの経験がこの試合に生きて来る」とも話している。
パンチはないが、好戦的で石田匠とのIBF挑戦者決定戦で7年前に来日経験があり、敵地であることを意識したのか、積極ファイトで判定勝利している。

