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王者の井上拓真と那須川天心は目を合わせなかった(写真・山口裕朗)
王者の井上拓真と那須川天心は目を合わせなかった(写真・山口裕朗)

「何なの、この会見?」なぜ那須川天心は歌舞伎町での9.27再戦屋外公開会見に”ブチキレた”のか…王者の井上拓真は「エンターテイナーとしてはいいこと。楽しめた」…対照的な反応から見えたものは?

 

王者の拓真には風格が(写真・山口裕朗)

さらにこう拓真を挑発した。
「世間では、拓真選手がバムとやるところを見たいと言っている。その言葉を忘れないで欲しい。俺が邪魔してすいません。俺が勝つじゃないですか。どうなんだろうというのはある。勝ったときのお楽しみですね」
 ただWBA世界バンタム級スーパー王者となったジェシー“バム”ロドリゲス(米国)は、来年2月のスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(大橋)とのビッグマッチが水面下で着々と進行中で、バムVS拓真が割り込む時間はない。
 一方の王者の拓真はキレた天心とは対照的だった。
 屋外の公開会見については「こういう会見は初めてだったので楽しめた。普段見られない人たちが楽しんで貰えたら良いんじゃないですかね」と言い、天心のクレームについて聞かれると「エンターテイナーとしてはいいこと。そこに関しては何も思わない」と大人の対応を貫いた。
 リベンジにいきり立つ天心とは対照的に発言や立ち振る舞いに自信に満ち溢れていた。
「より強い井上拓真を見せて返り討ちにしたい」
 5月2日の東京ドームで5階級制覇に挑んだ”レジェンド”井岡一翔(志成)から2度ダウンを奪い3-0判定で圧勝した。
 自信の源はその一戦。兄の尚弥はSNSにこう投稿した。
「拓真の成長は物凄い 自信を持つと人間これだけ変われるのかってことを証明してくれてる。 と言うか今までは練習段階から限界突破する気がなかったような… この2つを身につけた拓真のボクシングは変態で恐ろしい」
 拓真は天心とは対照的にKOではなく判定での完封勝利を宣言した。
「完封。自分もKO勝ちは狙っていきたいが、完封するのは(天心が)何もできない。ラッキーパンチもない。ほんとの実力勝負。強さを示す証拠?そうですね」
 天心の出方は第1戦とは変わってくることを想定している。エストラーダ戦ではガードでパンチを受けて下がるシーンは見られなかった。前でパンチを外して踏み込んできた。葛西裕一トレーナーに変わった効果がある。
「1回負けているので絶対何かしらやってくる。逆でもそう思う。そこは最大に警戒して(天心を)過大評価して、いろんな引き出しを出せるように練習して、どのパターンでも完封できるように自分の経験値で勝ちたい」
 そして「2連勝して屈辱を味わせていきたい」と豪語した。
 だが天心を舐めているわけではない。
「今の自分にとっては、第1戦もリマッチも心境はまったく変わらない。残りのボクシング人生は長くない。僕も常に崖っぷちでいる。そこを意識しながら、隙なく、淡々と倒しにいく」
 自らはプロのキャリアで再戦経験はないが、兄の尚弥は元5階級制覇のノニト・ドネア(フィリピン)と2度対戦して2連勝している。
 「そこんところを今後は聞いてみたい」という。
 天心を返り討ちにした先には大きな目標がある。兄が成し遂げた4団体統一だ。 
 WBAでは20日に増田が新王者となった。
「刺激になるし(自分がこの階級の)中心でありたいと強く思う。一つ一つ勝って統一戦。どの団体でも構わない」
 ライブ配信するAmazonプライムビデオが数百万円をかけた屋外の公開会見は空回りしたが、このリマッチが、2026年のボクシング界の下半期の最大のビッグマッチであることに疑いはない。
 モンスターがこうつぶやいた。
「井上拓真vs那須川天心2。9月27日が楽しみ」

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