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王者の井上拓真と那須川天心は目を合わせなかった(写真・山口裕朗)
王者の井上拓真と那須川天心は目を合わせなかった(写真・山口裕朗)

「何なの、この会見?」なぜ那須川天心は歌舞伎町での9.27再戦屋外公開会見に”ブチキレた”のか…王者の井上拓真は「エンターテイナーとしてはいいこと。楽しめた」…対照的な反応から見えたものは?

 プロボクシングのWBC世界バンタム級王者、井上拓真(30、大橋)と同級1位の那須川天心(27、帝拳)の再戦が9月27日に東京お台場のトヨタアリーナ東京で行われることが23日、新宿・歌舞伎町の「新宿シネシティ広場」での屋外公開会見で発表された。だが、天心は運営進行に「何なのこの会見。外でやる意味あるの?」とブチキレた。一方の王者の拓真は、天心の激怒を「エンターテイナーとしてはいいこと」とスルーし公開会見を「楽しめた」と対照的な反応だった。物議を醸した会見から見えたものとは?

天心はファンサービスに務めた(写真・山口裕朗)

 「これで最後だ」のキャッチフレーズの意味は?

 「ファッションは我慢」で革ジャンを着てきた天心が、それを脱ぎ、不満を爆発させたのは、最後に司会者からメッセージを求められた時だった。
「これで会見終わり?外でやった意味あります?見てくれている人がいるわけですから。みんなの前で発表したかったし、なんかグダグダじゃないですか。イベントじゃねえ。オレら本気でやるし、ガチなんだからガチでやってくれ」
 海外のビッグイベントでの屋外での公開会見は珍しくない。この場所では総合格闘技団体のRIZINも、3年前に「超RIZIN.2」の会見を行っているが、ボクシング界では初。炎天下の影響が懸念されていたが、午後5時を過ぎたこのエリアはビルの影になり、ビル風が吹いていたため、危険な暑さではなかった。予約の整理券を配った100人を超えるファンに加え、柵の外にも駆け付けたファンで歌舞伎町タワー前の広場は埋まったが、天心は盛り上がりに欠いた運営、進行にブチキレた。
 囲み会見でその理由を明かす。
「何なのこの会見。オレが喋って、相手が喋って、記者の囲み取材だけ。わけがわからない。お客さんが置いてけぼり。ぬるくないですか。試合発表をして30分経ってから出てきて会見。なんで先に発表しちゃうの。全員プロ意識が足りない」
 会見ではまず最初に9月27日の拓真と天心との対戦決定を司会者が発表し、その後、畑山隆則氏、竹原慎二氏、渡嘉敷勝男氏の3人の元世界王者のトークショーが20分間行われた。渡嘉敷氏が懸命に観客を巻き込もうとしたが反応は薄かった。 
 ファンは天心、拓真の声を早く聴きたがっていた。運営側はユーチューブで人気の3人でネットの関心を引こうとしたのかもしれないが、その狙いは空回りしていた。むしろ呼ばれた3人の元世界王者こそ被害者だった。
 その後にリムジンに乗って登場した天心と、王者の拓真が順にブルーカーペットを通ってステージへ向かうわけだが、すでに誰が登場するかがわかっているだけにドアが開く前のドキドキ感もなかった。ファンはどんなカード発表かを周知していたとはいえ、演出としては、とことんシークレットのまま、誰が車から出てくるのかをサプライズとしてファンに伝えるべきだった。
「生きる広告」を自負する天心からすればその演出にテンションは下がった。
 登場するなり不機嫌モードで「緊張感がねえ。なめんじぇねえよ。顔じゃねえよ」と言い放った。会見ではメディアとの質疑応答もなかった。
 ベテラン司会者が定番の質問を投げかけただけだった。
 ファンも 20分のトークショーの時間の尺を天心と拓真の質疑に回して欲しかったのだろう。そして囲み取材では天心は王者のコメントにまで矛先を向けて「対戦相手もそう。外でやって、『返り討ちにします。応援お願いします』ってなんだそれ。来てくれた人はどう思ったかわからないがこれはプロの仕事じゃないと思った」とキレまくった。

 

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