スパーで見抜いていたクセ…1000万円トーナメント渡邊海の戦慄2回TKO劇の裏にあった巧妙な準備…「隠していた」…12.3決勝の相手は“ミラモン”とドロー判定も優勢点で決めた“逆輸入ボクサー”
プロボクシングのスーパーフェザー級1000万円トーナメントの準決勝2試合が8日、後楽園で行われ、元WBOアジアパシフィック同級王者の渡邊海(23、ライオンズ)が木村蓮太朗(29、駿河男児)を2ラウンド36秒TKOで下して決勝へ駒を進めた。もうひとつの準決勝の松本圭佑(27、大橋)対木谷陸(25、KG大和)はドロー判定に終わるも優勢点で木谷が勝ち進んだ、決勝は12月3日に後楽園で行われる。
「サウスポーなんで死角になるんです」
キャリアで1敗しかしていないOPBF東洋太平洋&日本同級1位の木村と、元WBOアジアパシフィック同級王者の渡邊が激突するトーナメント屈指の好カードは衝撃の結末を迎えた。
2ラウンドだ。渡邉が木村の死角となる、かなり外からぶん回した左のフックがアゴをとらえた。木村は背中からバタンと倒れた。
実は、準備周到に用意していた必殺のパンチだった。渡邊は左を放つ前に左ボディへ差し込むような一撃を食らわせていたが、これが布石だった。
試合後に渡邊がこう種明かしをした。
「狙っていました。サウスポーなんで相手の死角になるんです。一発下をついたんです。それが入って気が下にいった。わかってたんで。ボディだと思って(ガードを)下げるんです。あれはスパーでやったときも入っていたんです」
1年前に2人はスパーで拳を交えている。その時にも左のボディを打った後にガードが下がり、左フックがヒットしたという。
「そんな簡単にクセは治らない。そこ重視でやれば治るけれどやってこないと思った。あえて試合前インタビューでもそれは隠していました」
スパーで見つけた弱点を渡邊は秘策としてずっと温めていたのだ。
「絶対効いているな」
そう思っていたが、木村はすぐに立ち上がってきた。渡邊には迷いがあった。一気に勝負にいくべきか、それとも無理せず様子を見るか。
「麗王戦を思い出した」
渡邊には、昨年7月にダウンを奪いながらも、強引に決めにいき、齋藤麗王(帝拳)に逆転TKOを食らって、WBOアジアパシフィック同級王座から陥落したいう苦いトラウマがあった。
だが、レフェリーが立ち上がった木村のダメージをテストとしているその短い時間で渡邊は、その迷いを吹っ切った。
「スタミナが入れてもぶちこんでやろうと。悩んだが、ここで悩んで引くより、自分がやりたいようにいきたかった」

