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渡邊海が2回TKOで木村蓮太朗を仕留めた(写真・山口裕朗)
渡邊海が2回TKOで木村蓮太朗を仕留めた(写真・山口裕朗)

スパーで見抜いていたクセ…1000万円トーナメント渡邊海の戦慄2回TKO劇の裏にあった巧妙な準備…「隠していた」…12.3決勝の相手は“ミラモン”とドロー判定も優勢点で決めた“逆輸入ボクサー”

 渡邊は、躊躇せず襲い掛かった。
 再び左フックから右ストレートを叩きこむと、木村はエプロン半身を出しての“失神”ダウン。レフェリーはTKOを宣告した。
 渡邊はコーナーに駆け上がって雄叫びをあげて胸を叩いた。
「とりあえずほっとした」
 試合前には不安や恐怖に負けそうになる自分がいたという。
「乗り切れていなかった。どこかでまずいなという気持ちがあった。不安です」
 スパーで木村の実力を知る渡邊は、その心の戦いの中で、「でも逃げずに練習をした。そして自分を信じた」という。
 リングに上がる前には「絶対に勝てる」と自分に暗示をかけた。
 ドロー判定に終わり優勢点で木谷陸が松本圭佑を上回ったもうひとつの準決勝は、渡邊の試合の直前だったが、控室にモニターもなく、スマホで見ることもしなかった。
「歓声は聞こえてきたが目の前の試合に集中していた」
 その木谷は、渡邊の勝利を予想していたそうだが、渡邊は、もうひとつの準決勝を「50-50。判定なら木谷選手。KOなら松本選手」と予想していたという。
 渡邊は、これまで木谷と計30ラウンド以上のスパーリングを行っていて、互いに手の内を知る仲だ。
「みんなが予想していなかった対決かな。2人とも手の内もバレバレですね。打ち合いなるのかな」
 筆者が木谷が松本戦と同様に「僕が追って向こうが足を使う展開。相性的にいい」と語っていたことと伝えると、「その展開ですね。たぶん。やってみないとわかんないですが、身長や距離がオレに似ている(松本を)潰している。やばいじゃん」と苦笑いを浮かべた。
 直近では、5月の準々決勝前にも2人は6ラウンド×2のスパーを行っている。
「オレのリズムを木谷選手は知っているので変えていく。決勝までに別人の自分にならないと」
 すでに12月3日の決勝までに何をすべきかのイメージができている。
「賞金1000万円?見えてきた…でも油断はできない。木谷選手しか見ない」
 決勝を見据えて渡邊はそう自分に言い聞かせた。

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