「巨人の強行指名は想定内だった」横浜高の村田監督は織田翔希の「ぶれない」メジャー挑戦決断をバックアップ…巨人3位指名の池田聖摩は「どちらに進んでも応援していきたい」
言葉の端々からは単なるメジャーへの憧れだけでなく、大学進学も視野に入れている点で、自分の目標から逆算する形で周到に進む道を定めた覚悟が伝わってくる。並大抵の誠意や交渉ではメジャー挑戦の決意は翻意させられないだろう。巨人のドラフト1位選手でただ一人、将来のアマチュア野球指導者を志して入団を辞退し、愛知学院大学から熊谷組へ入社した1973年の小林秀一投手の悪夢の再現となる可能性は十分にある。
織田自身にもこの先、大きな決断を下す場面が訪れる。
12月1日までにメジャーリーグ機構とMLB選手会の労使交渉がまとまらなければ、本来ならば年明けの1月15日から解禁される国際アマチュアFAの交渉も凍結される可能性が高い。同時に機構側は国際ドラフトの導入を提言していて、それが実施されるとなれば今オフにメジャー挑戦を狙う米国、カナダ、プエルトリコ以外の選手の扱いが不透明になる。国際ドラフトの開催は来年9月までズレ込む可能性もある。
対照的にマイナー契約ならば労使交渉の影響は受けない。今オフの交渉が思うように進まなければ、花巻東高校からスタンフォード大学に進み、今年7月のMLBドラフト会議でマーリンズから8巡目指名を受けて契約し、憧れのメジャー昇格へ向けてマイナーからスタートを切った佐々木麟太郎のルートもある。ただ、その場合は2029年6月のMLBドラフト会議まで待たなければいけない。
なかなか先行きを見通せない状況で、現時点で最も大切にしているものを問われた織田は、女手ひとつで育ててくれた母親の祐子さんを念頭に置きながらこう答えた。
「今の自分があるのも支えてくれたたくさんの方々のおかげだと思っていますし、そういった方々への感謝もそうですし、自分の気持ちを大事に決めていきたいと思います」
巨人から2人も指名されるのは想定外だったのか。指名挨拶への対応を含めた今後について、村田監督を含めた横浜高校側はこれから検討するとしている。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

