井上尚弥「次の次」5階級制覇挑戦となるWBAフェザー級王者ニック・ボールとの予備交渉がスタート…名物プロモーターが明かす…「それぞれの戦いに勝たねばならない」が実現条件

　プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥（32、大橋）が12月か来年2月にサウジアラビアでWBA世界フェザー級王者のニック・ボール（28、英国）へ挑戦するビッグマッチの交渉がスタートした。英専門サイト「ボクシングニュース」が報じたもので、ボールのプロモーターである「クイーンズベリー・プロモーション」のフランク・ウォーレン代表（73）が明かした。

　「井上のことが大好きなんだ」

　米ラスベガスでボクシング界に強烈なインパクトを残したモンスターの「次の次」のスーパーファイトが具体的に動き始めた。5階級制覇への挑戦となるWBAフェザー級王者、ボールとの「予備交渉」がスタートしたことを名物プロモーターのウォーレン氏が明かしたことを英専門サイト「ボクシングニュース」が伝えた。
　井上は4日（日本時間5日）に米ラスベガスでWBA1位のラモン・カルデナス（米国）と対戦。2回にまさかのダウンを喫したものの、そこから盛り返して8回に逆転TKO勝利を収めた。
　ウォーレン氏は「私は井上の大ファンなんだ。みんな虜になるんだ。（ダウンを喫しても）立ち上がれば勝てる。立ち上がって戻ってきたときにパンチを受けることができるファイターだ。彼は質の高いファイターだ」と、その大ピンチを乗り越えたモンスターのファイティングスタイルを評価した。
　そして「（井上と戦う）ニック（ボール）が好きだ」と、ボールがフェザー級でモンスターを迎え討つことへの意欲を口にした。
　スタートした井上陣営との予備交渉の中で「彼らには（5階級への挑戦となるボール戦に）やる気がある」ことを確認したという。
　ただ井上は、9月14日に名古屋でWBA世界スーパーバンタム級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ（ウズベキスタン）と防衛戦を行うことが決定している。アフマダリエフの参謀は、カルデナスにモンスター対策を授けて、大善戦を演じさせた名トレーナーのジョエル・ディアス氏。それだけに不気味で、ウォーレン氏は、この井上vsボール戦の実現への条件をこう明かした。
「彼らはそれぞれの戦いに勝たなければならない。それらを乗り越えて、我々はそれを成し遂げると確信している」
　ボール戦は、井上がひとつ上の階級の王者への挑戦となるが、アフマダリエフ戦の勝利が実現の条件になるという。
　またボールも井上戦の前に“モンスター前哨戦”をクリアしなければならない。
「我々は数週間後に（ニックのための）大きな戦いを発表する。我々はそれを成し遂げる。ニックは勝たなければならない」とウォーレン氏。