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球界大御所が評価したのは藤川監督が率いる阪神。阿部巨人には厳しい見解(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
球界大御所が評価したのは藤川監督が率いる阪神。阿部巨人には厳しい見解(写真:Imagn/ロイター/アフロ)

「もう優勝は阪神だ。巨人は立て直し策が見えてこない」球界大御所が“忖度なし”のリーグ戦再開展望

 いよいよ今日27日からセパのリーグ戦が再開する。交流戦はパ・リーグの圧勝に終わり、セ・リーグは、9勝9敗の広島以外の5球団はすべて負け越したが、順位に大きな変動はなく阪神が首位をキープ。途中3年ぶりの7連敗を喫したが、同率2位の横浜DeNA、広島とのゲーム差は3.5で交流戦前の2.5から逆に1ゲーム広がった。一方の巨人は借金「1」で3位から4位に順位を下げた。巨人OBでヤクルト、西武で監督として日本一を手にしている広岡達朗氏(93)は「交流戦の戦いを見る限り優勝は阪神だ。巨人は立て直し策が見えてこない」と断言した。

 「岡田の作った投手力が他球団に比べて群を抜いている」

「交流戦、みんなで負ければ怖くない」――詠み人知らず――である。
 セ・リーグの6球団にとっては、最悪の交流戦となったが、パ・リーグの6球団が優勝したソフトバンクから6位まで独占したため、セ・リーグの順位は、3位だった巨人が4位に落ち、4位だった広島が横浜DeNAと並ぶ同率2位に浮上した以外に大きな変動はなかった。
首位は交流戦8勝10敗の阪神がキープ。途中、3年ぶりのワースト記録となる7連敗を喫して、貯金は10から8に目減りしたが、同率2位の横浜DeNA、広島とのゲーム差は交流戦前の2.5差から逆に3.5差に広がった。
 交流戦から見えたリーグ戦再開後の展望はどうなるのか。
 球界大御所の広岡氏は「交流戦の戦いを見る限り優勝は阪神だ。巨人は立て直し策が見えてこない」と断言した。
 虎党にとっては嬉しくG党にとって残念なコメントだ。
「逆にこれだけのチームが優勝しなきゃいかんよ。なにしろ岡田が作った投手力が他球団と比べて群を抜いている。先発は村上、才木を軸に新人の伊原、新外国人のデュプランティエもいい。大竹も安定している。5枚もある。巨人とは大違いだ。戸郷がダメ。赤星、井上も一人前になっていない。山崎一人じゃペナントレースは戦えない。また阪神は中継ぎも、石井が頭にボールをぶつけて離脱しているが層は厚い。指揮官として経験不足の藤川が、中継ぎのやりくりに失敗して7連敗したが、阪神以上の中継ぎの布陣を揃えているチームは他に見当たらない。巨人は打線が点を取れないから大勢、マルティネスの勝ちパターンを生かしきれていない」
 阪神の交流戦でのチーム防御率は12球団トップの1.99だった。
 広岡氏が指摘するように阪神は先発陣に防御率1点台の投手が4人揃う。村上がハーラートップに並ぶ7勝2敗で防御率1.63、才木が5勝4敗で防御率1.66、ルーキーの伊原は5勝2敗で防御率は2人を上回る1.08と抜群の安定感を誇る。規定投球回数が現時点で3回3分の1足りないが、そこをクリアすれば、一気にリーグトップに躍り出る。デュプランティエも勝ち星こそ3勝3敗だが防御率は1.66だ。ここに大竹、復帰してきた伊藤将が加わるのだから、先発陣はナンバーワンだろう。さらに中継ぎも石井が戦列を離れているが、及川、桐敷、岩崎の3人にネルソン、岩貞、富田、ファーム調整中の湯浅に加えて交流戦の最後に投げて150キロ台後半のストレートでガンガン内角を攻めた木下ら豊富なメンツが揃っている。
 7連敗中は6試合で逆転を許したが、桐敷の誤算や藤川監督の湯浅の起用法などに問題があり、すべて紙一重の敗戦だった。
 一方、交流戦6勝11敗1分けで球団ワーストタイの11位だった巨人はエースとして期待された戸郷が8日の楽天戦こそ7回無失点に抑えて今季2勝目をゲットしたが、15日のオリックス戦、22日の西武戦で連敗して23日に2軍落ち、井上は交流戦3試合に投げて0勝2敗で交流戦の防御率は6.75、赤星は3試合に投げて防御率こそ3.20だったが1勝2敗と負け越した。
 西舘は11日のソフトバンク戦で7回3失点、18日の日ハム戦で7回1失点と先発の役割を果たして連勝したが、雨天中止の仕切り直しとなった24日のロッテ戦では6失点で5回途中でマウンドを譲った。安定しているのは3試合で防御率0.95のグリフィン、3試合で防御率1.64、勝ち負けはつかなかったが5日のロッテ戦で9回を投げ切っている山崎の2人だけ。両軍の先発を見比べると巨人が見劣りする。

 

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